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生まれ変わっても、音楽を愛する人間でいたい

GREENS 30th Anniversary LIVE"感謝感激あめあられ"

忘れられない、忘れたくない。そんな夜に出会えた。
2020年11月27日、大阪城ホールにてGREENS 30th Anniversary LIVE"感謝感激あめあられ"が開催された。“GREENS“というのは大阪のコンサートプロモーターさんのこと。音楽フェスが中止や配信への切り替えを余儀なくされた今年の夏、この情勢の中で「RUSH BALL」を決行し感染者0という偉業を成し遂げたとんでもなくカッコいい大人たちだ。

そんな彼らの30周年をお祝いすべく、大阪城ホールにTHE ORAL CIGARETTES、Creepy Nuts、[Alexandros]の3組が集結。兎にも角にもメンツが強い、アツい。開催が発表されたその日から、オーラル、クリーピー、ドロスに会えることをずっと楽しみにしていた。
当日は会場の中に入っただけで泣きそうだった。想い出が沢山ある大好きな大阪城ホールで、今からライブが始まる。もう、その事実だけでも十分なくらいだった。

幕が上がった"感謝感激あめあられ"のトップバッターを飾ったのは関西出身のロック・バンド、THE ORAL CIGARETTES。

『大阪久しぶりやなあ!!!』

ステージに立つ山中拓也の嬉しそうな笑顔につられて、思わず笑みが溢れた。大好きなオーラル、ずっと4人に会いたかった。

彼らのライブの醍醐味でもある「4本打ち」で一気に会場の熱を引き上げ、オーディエンスに一体感を生み出していく。
フェスではトリを務めることも多いオーラル。トップバッターを務めるのは珍しくも思えたが、何せオーラルはライブが最強のバンド。彼らに任せておけば何の心配も要らない。

セットリストは今年の春にリリースされたアルバム『SUCK MY WORLD』からの選曲が多く、なんだか新鮮に感じられるものだった。少し懐かしくも感じた「5150」は、このコロナ禍において多くの人々の心に突き刺さったのではないだろうか。「PSYCHOPATH」、「LIPS(Redone)」もオーラルファンにとって堪らないチョイスだった。

そして、恐ろしいほどにライブ化けする楽曲、「Naked」になんとCreepy NutsのR-指定がゲストで登場。まるで夢をみているかのような大好きなオーラルとCreepyのコラボ。あの瞬間に立ち会えて本当に幸せだった。対バンイベントならではのサプライズ演出、粋だったなあ。
「Slowly but surely I go on」で締めくくられたオーラルのパフォーマンス。オーラルは色んな表情(かお)を持つバンドだと改めて感じさせられた。バチバチに決めてめちゃくちゃカッコいいのに、同じくらい優しくもしてくるからオーラルはずるいのだ。

THE ORAL CIGARETTESは本当にライブが似合うバンドだ。
彼らの奏でる音に、叫ぶメッセージに、心を揺さぶられる感覚。もう既に彼らのライブに行きたい、そう感じるくらいにオーラルの世界観は多彩で、魅力的で、中毒性がある。わたしがオーラルを好きな理由の一つにMCがある。山中拓也のMCは人の心を惹きつけ、抱きしめてくれるような温かさがある。そして、時に「そんなこと言っちゃうの?!」と驚かされるようなこともある。わたしは彼の言葉が大好きだ。

今回のMCで彼は『売れる、売れないはもうどっちでもいいかなって思ってきてる』、と話してくれた。これは彼が以前インスタライブでも話していたこと。自分たちが本当に伝えたいと思うことを発信し続けて、それを必要としてくれる人に届けばいい、という意だと思う。ライブ開催が容易では無いこの情勢、ロックが衰退していくことが怖い。ソロアーティストばかり売れていくんじゃないかとか。HIP HOPにも負けてられないなとか。これから“バンド”は、“ロック”は、どうなっていくのか。バンドマンとして、ロック・バンドとして。

“オーラルはこれからもロック・バンドであり続けます。”まるで決意表明のように力強く、わたしたちにそう語りかけてくれた。
わたしは、この先もそんなオーラルの音楽とともに生きていくのだと思う。というか、生きていきたいのだ。オーラルの音楽と一緒に、人生を歩んでいきたい。

そして、オーラルがいれば、きっと日本のロック・シーンの未来は明るい。なんだかそんな気がしている。
(これは余談なのだけれど、MCでCreepy Nutsのラジオの話が出て、彼らのラジオのヘビーリスナーであるわたしはすごく嬉しかった…!)

THE ORAL CIGARETTESからバトンを受け取り、次に登場したのはR-指定とDJ松永のHIP HOPユニット、Creepy Nuts。
個人的な話になるが、先日、彼らのワンマンツアーに行きたすぎるあまりファンクラブに入ったのだけれど、さすがは今をときめくCreepy Nuts。申し込んだ公演のすべてが落選だった。ワンマンに足を運べるのは当分先の話になりそうだけど、その前に大阪城ホールで彼らを観ることができて本当に良かった。何故かって?彼らのライブが本当に、本当に最高だったからである。

先ほど余談として記したが、わたしはCreepy Nutsのラジオに毒されているヘビーリスナーだ。楽曲は勿論のこと、彼らの人柄、トーク、二人の関係性。その全てが好きで骨の髄までやられてしまっている。だから、この日のことを心の底から楽しみにしていた。

感想は、正直、上手く言葉に出来ない。的確に表現できる言葉がわたしの語彙力では見つけられないのだ。ああ、R-指定の語彙力があればな、なんて。それでも、拙い言葉でわたしなりに文字に起こしてみようと思う。

R-指定がMCでも話していたのだが、HIP HOPはアーティスト自身の実体験を歌にする音楽である。つまり、Creepy Nutsの曲はCreepy Nutsの二人のことを歌っている。それなのに、客席にいるわたしには自分のことを歌ってくれているように感じられたのだ。

『夢なんて見なけりゃ苦しまない それでもこうしてもがいて行くしか無い』

サントラの曲中、いまの自分自身の状況に重ね合わせて、涙が溢れた。わたしだけじゃない。みんなそうなんだ。わたしも、隣にいた友達も、会場中の人々も、ステージにいるCreepy Nutsも。

生きてるとさ、しんどいよなあ、毎日。子供みたく泣きたくもなるし、何もかも嫌になることだってある。投げ出したくもなる。だけど。
こんなにかっこいいヒーローがいるなら。Creepy Nutsの歌が傍にあるなら。きっと大丈夫だって、そう思えた。

ステージ袖にいるスタッフさんから「時間押してます!」と言われるほどにMCに熱い想いがこもっていたR-指定。彼は人の心を突き動かす素晴らしい力を、人の心を掴んで離さない言葉を持っている。大阪出身の彼が、大阪城ホールのステージに立ったのはこの日が初めてだったという。地元の大きなステージで、一番の相方と。きっと、グッと込み上げるものがあったんだろう。

ステージで輝く二人は間違いなく、助演じゃなくて主演だった。
Creepy Nutsがいなかったら、わたしはHIP HOPに出会えなかったかもしれない。ライブでもラジオでも飾らない、行き過ぎなくらいにどこまでも謙虚で、でも“たりない”ふたりのことがわたしは大好きだ。ふたりに出会えてよかった。

そう遠く無いうちに実現されそうな気がする、
“Creepy Nutsの大阪城ホールワンマン”の日が今から待ち遠しい。

ロック、HIP HOPと最高の音楽に浸り、会場のボルテージは最高潮。そして、このイベントのラスト、トリを飾ったのは[Alexandros]。登場の瞬間から鳥肌が立ち、[Alexandros]という空間に染まっていく。ドロスのライブを観るときはいつもそうだ。気づいた時にはもう、その壮大な世界に飲み込まれている。

カッコいいライブとは裏腹に、MCはゆったりとしていてそれがまたオーディエンスの心を和ませる。わたしの後ろの座席にいたドロスファンの女性2人組は涙を溢し、鼻を啜りながらMCを聞いていた。「ああ、ドロスが本当に好きなんだなあ」って伝わってきて、なんだかわたしまで嬉しくなってしまった。ドロスも、ドロスのファンも素敵だ。素敵な人の周りには、素敵な人が集まってくる。本当にその通りなんだなあ。

『彷徨って 途方に暮れたって また明日には 新しい方角へ』『私の元の表情は 既に死んでしまった だからもう一度 何も考えないで 思い切って 泣けば良い 誰より笑えば良い 押し殺した その感情曝け出して』

こんなご時世だというのもあって、どうしても「Starrrrrrr」は涙なしには聴けなかった。この日々に終わりが見えないように思えてしまって、暗い気持ちになることの方が多いけれど。絶対に前を向いていける。着実に、確実な一歩を踏み出している。だから、大丈夫だ。
そう思わせてくれるのは、ドロスの音楽が持つ偉大なパワーだと思う。圧倒的で力強く、でも優しい。最高に心がくすぶられる見事なまでのステージ。
ドロスはいつだってわたしたちの背中を押してくれる。希望をくれる。“明日を生きてみたい”と思わせてくれる。

[Alexandros]は、本当にカッコいい。
“カッコいい”という言葉が最高に似合うバンドだ。

グルーヴ感で満ち満ちた会場に「風になって」のライブ初披露。爽やかな風が舞い込んだ。そして、この"感謝感激あめあられ"を締めくくるラスト一曲に選ばれたのは、「ワタリドリ」。大阪城ホールの天井に、綺麗な青空が見えたような気がした。それを涙で霞ませたくなくて、必死に堪えた。『愛してるぜ大阪!』

川上洋平の声が会場中に響き渡り、やがてわたしの胸の奥まで届いた。
3ヶ月ぶりのライブだったけれど、やっぱりわたしは音楽なしじゃ生きていけないと実感した。痛感した。距離を保たなくちゃいけないだとか声が思うように出せないだとか、まだまだ難しいこともあるけれど、直接会えること。音を感じられること。同じ空間を、時間を、共有できること。これに代えられるものなんてきっと、この世には存在しない。

制限のあるライブも悪いことばかりじゃない。
だって、こんなにもライブや音楽の素晴らしさを噛み締めることができるのだから。尊く愛おしいものなのだと、抱きしめることができるのだから。

RUSH BALLに引き続いて、こんなにも素晴らしい夜を創ってくれたGREENSに、心からの感謝とリスペクトを。そして、30周年本当におめでとうございます。
THE ORAL CIGARETTES
Creepy Nuts
[Alexandros]

お互いがお互いを敬愛していることがこちらにまで伝わってきて、この3組で良かったと本当にそう思った。オーラル、クリーピー、ドロス、もっともっと大好きになりました。

きっと、わたしはこの夜のことを一生忘れないと思う。
大袈裟だと言われるかもしれない、でも、本当に宝物のような想い出ができたんだ。
忘れられない、忘れたくない。絶対に。

そして、生まれ変わっても、
ロックを、HIP HOPを、音楽を、愛する人間でいたい。

音楽を好きでよかった。
素敵な夜を、本当にありがとう。
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