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進化し続けるmiletの音楽、歌声、表現力

milet ONLINE LIVE ”eyes” 2020レポート

 2020年も終わりに近づいている今日この頃。今年はコロナ禍により、2020年3月から4月にかけて行われる予定だったmiletさんのツアー”Green Lights”、そして11月から12月にかけて行われる予定だったmiletさんのツアー”eyes”が、中止を余儀なくされた。私は両方のライヴに行く予定だったので、中止が決まった時はすごく悲しかった。私はmiletさんのライヴをいつもとても楽しみにしながら暮らしているので、日々を生きていくうえで自分の大切な楽しみがなくなってしまったのが、本当に残念でならなかった。でも、一番悲しかったのは、他でもないmiletさんだろう。miletさんはファンに目の前で音楽を届ける機会であるライヴをとても大切にしていて、いつも「早くライヴがしたい」「みんなに会いたい」と、自身のSNSやブログ(ファンクラブ『miles』)で何度も言ってくれていた。そのmiletさんの気持ちを思うと、私は「早くみんなで元気に楽しくライヴができる世の中になって、お願い!!」と願うばかりだった。でも、心配はいらなかった。miletさんは、彼女の楽曲”Who I Am”のように、いつも前を向いていて、前に進んでいる。コロナ禍でも、離れた場所にいても、多くの人たちが安心して参加できるオンラインライヴを、2020年12月5日に開催してくれたのだ。

 miletさんは、「ライブ」じゃなく「ライヴ」と表記する。そこはとても重要で、さすがネイティヴ並みに英語を操る人だと思った。“live”というワードの綴りと発音に忠実に行くと、やっぱり「ブ」じゃなくて「ヴ」なのだ。自分は頭では「ヴ」だと分かっていたけれど、今まで何となく多数派の「ブ」の方に流されていた。ライブではなくライヴ、そこはmiletさんのこだわりなんじゃないか、という気が私にはしている。

 2020年12月2日にリリースされたEP『Who I Am』からの一曲”One Touch”でオンラインライヴは幕を開けた。『Who I Am』のアーティスト写真とおそらく同じ赤いドレスで登場したmiletさんは、冒頭から「口から音源」レベルの完璧な歌声を披露していた。そこから、1stEPに収録されている”Waterfall”や、デビュー曲の”inside you”で、低音を効かせた迫力のある歌声を聴かせてくれた。ヘヴィーな曲だけでなく、アルバム『eyes』収録の弾けるようにポップな曲”STAY”も披露してくれ、選曲も多彩だった。5曲目に披露してくれた最新曲の”Who I Am”では、miletさんのパワフルな歌声が冴え渡っていた。miletさんの曲は低音と高音の差が激しく、また絶妙な音程や、ファルセットやビブラートを駆使して歌わなくてはならない箇所も多い。しかも、それを重厚感のある歌声で歌うものだから、すごく声量が必要で、1曲歌うのも、すごくハードなはずだ。素人の私がいつかのひとりカラオケで歌おうとしても、歌えたもんじゃなかった。私は、miletさんはやっぱりすごいなあ、と思いながら聴いていた。のっけから、miletさんは怒涛の勢いでかっこよく歌い切っていて、miletさんのタフさが垣間見えた。

 冒頭でのバンド編成で演奏された数曲を歌い終わると、miletさんは場所を移動して、次はアコースティック・ライヴに移り変わった。ONE OK ROCKのToruさんとの黄金のコラボレーションにより生まれた名曲”The Love We’ve Made”では、アコースティック・ギターの優しい音色と、miletさんの包み込むような歌声が美しく融合していた。また、”Fine Line”や”Imaginary Love”、”Again and Again”といったエレクトロニックな楽曲が、アコースティックなアレンジで再構築されていて、とても新鮮だった。アコースティック・ギターやピアノの音色によって、あの電子的な音をこんな風に再現するのか、と目から耳から鱗だった。”Fine Line”では、キレの良いアコースティック・ギターの音色と、手拍子を交えた、ちょっとフラメンコのような、どこかラテンの風を感じるようなアレンジで、めちゃくちゃかっこよかった。何より、miletさんがすごく楽しそうに歌い踊っているのが印象的だった。”Tell Me”と”Prover”という2曲のバラードの流れも最高だった。miletさんのちょっと掠れていて重厚感のある歌声は、いつまででも聴いていたくなるくらいにいい声だった。いずれの曲も、アコースティックでやったらこうなるのか、という感じで、新鮮な驚きがあり、聴いていてわくわくした。どのアレンジも、ものすごい完成度で、ひたすら聴き入ってしまった。

 miletさんは、オンラインライヴの合間合間で、自身のリスナーに対する思いを率直に語ってくれていた。オンラインの画面上ということなんて、関係なかった。miletさんは、自身の音楽と言葉によって、画面という隔たりを取っ払ってくれ、心の距離がすごく近く感じられた。自分の音楽を聴いてくれているみんなのこと、応援してくれているみんなのことを、miletさんもとても大切に思ってくれていることが伝わってきた。以前、自分が書いたmiletさんについての音楽文の中で、私はショーケースライヴで初めてmiletさんを観て感じたクールな印象から、「ちょっと氷のよう」と綴っていたが、今やその印象は完全に崩された。miletさんは、自分の周りにいる人たち、そして、自分や自分の音楽を好きでいてくれている人たちへの感謝や愛を、ちゃんと言葉で、音楽で、しっかりと伝えてくれる人なのだ。音楽で繋がっているし、気持ちはちゃんと伝わっている。それがひしひしと感じられて、ライヴでは終始、すごくポジティブで幸せな空気に満ちていた。

 そして何より、miletさんの歌声が、本当に素晴らしかった。力強くも繊細で、美しい歌声。声量も、声の伸びも、表現力も圧巻だった。miletさん自身がすごく嬉しそうで、楽しんでいるのが伝わってきて、こちらまでパワーをもらった。テレビ番組での、たった一曲のパフォーマンスだけでは伝わり切らない、miletさんの凄まじい実力とポテンシャルが、今回の配信ライヴで沢山の人たちに存分に伝わったと思う。ライヴでこそ、miletさんの本領が発揮されるのではないだろうか。だから、もっともっと沢山の人たちに、ぜひmiletさんのライヴ・パフォーマンスを観てほしいと思った。もちろん、生で観るライヴの迫力があるのは事実だが、miletさんの素晴らしさは、配信ライヴという映像を通してでもしっかりと伝わってくるので、ぜひまだ観たことがない方は、いつかまた機会があったらぜひ観てください、本当に凄いですから、と言いたい。

 バンドメンバーのみなさんのパフォーマンスも、本当に素晴らしかった。ギターの野村陽一郎さん、キーボードはmiletさんと共にソングライティングも手がけるTomoLowさん、ベースのKota Hashimotoさん、ドラムスのよっちこと河村吉宏さん、各人が本当にかっこよかったし、miletさんとバンドメンバーの皆さんが醸し出す雰囲気がすごくいい感じだった。コーラスはLauren Kaoriさんという方で、本当にすてきな歌声だった。miletさんとLaurenさんの声の相性がとても良く、聴いていてすごく心地よくて、お二人のハーモニーは、聴き惚れてしまうほどに美しかった。miletさんとメンバーの皆さんとの間の信頼やリラックスした空気感、安心感が伝わってきて、観ていても、聴いていても、すごく心地よかった。

 私がいつも感じていることだが、まず、そもそもmiletさんの楽曲はどれもすごくいい曲ばかりだ。しかも、miletさんは本当にいい声をされていて、ライヴでのアレンジのクオリティも高く、今回のライヴでは全曲がハイライトだった。にもかかわらず、私にとって、その中でもさらにハイライトだったのが、アルバム『eyes』収録曲”Dome”のパフォーマンスだ。地面を這うように座って歌うmiletさんの周りを、炎が円形に囲っていた。まるで、松明に囲まれた魔法陣の真ん中にいる、異世界の王女のようだった。楽曲も演出も、今回のライヴでは異彩を放っていて、非常に印象的だった。例えば、”Who I Am”のようにすごく前向きで力強くて奮い立たせてくれるような曲もmiletさんを反映していると感じるが、”Dome”のように、地を這うようなダークでドロドロした曲も、実はものすごくmiletさんを反映しているのではないか、という気がした。これも、紛れもなくmiletさんの世界観なのだと。そのくらい、あの闇の中で静かに、でも魂は赤く燃えているように歌う姿と、そこから醸し出されるダークな雰囲気が、ものすごくmiletさんの音楽と、そしてmiletさん自身ともマッチしていた。miletさんの音楽や表現は、ものすごく多彩で多面的なのだ。

 miletさんは、今回のライヴの直前に、Twitterで「もうどきどき通り越してバクバクですよ。」とつぶやいていた。miletさんは、今までの他のライヴやテレビ出演の際も、とても緊張している、といった内容をツイート等で言っていた気がする。でも、今回のライヴでは、miletさんは緊張なんて微塵も感じさせなかった。むしろ、ものすごく堂々としていて、楽しそうで、パワーが漲っていた。緊張しているとは言いながらも、やっぱりmiletさんには度胸がある。きっとご本人が思っている以上に、底知れぬパワーと強さがある人なのではないか、と私は思った。miletさんは、自身が創り出す音楽と同じく、パワフルでかっこいい。

 ライヴ本編のラストで歌ってくれた”You & I”では、途中サビのところでmiletさんが歌い出すタイミングを間違えてしまい、miletさんも自分で笑ってしまっていたのがおもしろかった。私はそれを見て、あれほど素晴らしい才能を持つmiletさんだが、完璧すぎないところがむしろすてきだと思った。そして、歌いながら感極まって涙ぐんでいるmiletさんの姿を見て、こちらもグッときてしまった。

 個人的に、今までに自分が目にした(参加した)合計4回のmiletさんのライヴのなかで、今回のライヴがすべてにおいて一番よかった。miletさんは常に進化し続けているから、最新の今のmiletさんのパフォーマンスが一番素晴らしいのは当然なのだけれど。でも、やっぱり歌声が今までにも増して本当に素晴らしかったし、話している声や表情や仕草が本当に生き生きとしていて、輝いていて、こちらまで元気になれた。そして、歌声の表現力が本当に豊かで、胸に迫るものがあって、聴いていて涙が出てきた。

 ファンクラブ『miles』会員限定のアンコールでは、ビルの屋上で、美しい夜景とブリッジを背に、アコースティック・ギターとともに2曲を歌ってくれた。1曲目は、miletさんが過去にレギュラーコーナーを担当していたJ-WAVEの「SONAR MUSIC」という番組で、番組DJでラッパーのあっこゴリラさんへのバースデーソングとして制作された”All I Can Do”という曲だった。最後は、miletさんが「大好きな曲」だという”レッドネオン”を、miletさんが「リアム」と名付けたタンバリン(もちろんリアム・ギャラガーから来ている)とともに歌ってくれた。夜空に、miletさんの伸びやかな歌声が響いていて、夜景ととてもぴったりだった。冬の寒い夜空でも、心は暖かかった。アンコールが終わってしまった後も、私はいつまでも心地よい余韻に浸っていた。

 年末には、「紅白歌合戦」出演という大舞台が待っている。miletさんはオンラインライヴのMCで、「緊張するけど、みんながいるから大丈夫!年末もまたみんなに会えるからうれしい。」と笑顔だった。また、年明け2021年1月には、大阪と東京で有観客のアコースティック・ライヴの開催も決定している。今年以上に、来年も、miletさんは更なる飛躍を見せてくれるだろう。これからも、miletさんの活躍からますます目が離せない。miletさんの快進撃は、これからも続いていく。
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