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僕だけに歌える唄と あなただけに聴こえる唄

-BUMP OF CHICKENと僕の13年間-

出会いは相当昔だったような気がする。

今年の11月に18歳となった僕は3歳の頃からピアノを習っている。きっかけはCMから流れてきた軽やかなリズムに「ママこれ行きたい」と言ったからだと母は言う。無論そんなことを言った覚えはない。だが今では結果的にひとつの趣味となったので良しとする。

少し大きくなって5歳の頃、我が家は父の仕事の影響で当時住んでいた兵庫県尼崎市から大阪府唯一の村である千早赤阪村に引っ越した。その頃になると記憶もしっかりあるのだが、この頃に日本を代表するロックバンド「BUMP OF CHICKEN」(以下バンプと示す。)と出会うことになる。
前述の通り、当時僕はピアノを習っていたのだが、住んでいるところが住んでいるところだったのでレッスンを受ける教室までは車で片道40分を要した。往復で80分。1時間20分。物心ついた時には音楽が勝手に好きになっていた自分にとっては最高の環境であった。
ここであらかた予想がつくとは思うが車の中ではずっとバンプが流れていた。
僕が覚えている限りでは、一番最初に聞き覚えのある曲として覚えているのが「車輪の唄」。あの曲には特別思い入れが強い。
バンドとしては珍しいマンドリンを取り入れた軽やかなメロディーと1曲聴き終わったと同時に1冊の小説を読み終えたかのような重厚感のある歌詞が今でも脳裏に色褪せないまま残っている。
また当時はアルバム「orbital period」がリリースされたばかりで、連日リピートの嵐。子供ながらに1曲終わると次に流れるイントロが頭の中でよく先行配信されていたものである。
父も母も音楽が好きで、特にバンプはデビュー時からひとたびワンマンライブを行うとなれば毎回参戦していたという。現在でも我が家にはバンプファンからすれば宝物の山に見えるぐらいのグッズが置いてある。
道理でバンプが流れ続けている訳だ。

かといって、当時はそこまでしっかりと好きだった訳では無い。しかし逆にこれといって好きな曲やアーティストがあった訳でも無い。きっと音楽そのものを純粋に楽しむことが好きだったのだろうと回想する。

さらにそこから3年が経ち、ちょうどバンプが新たにアルバム「COSMONAUT」をリリースした頃であろうか、僕は衝撃的な歌詞と出会ってしまう。

「自転車置き場 会いに通った 尻尾の生えた内緒の友達」
(R.I.P./BUMP OF CHICKENより抜粋)

この歌詞を最初に聴いた時、僕は恐怖を覚えたことを未だに忘れられない。
「尻尾の生えた内緒の友達?怖い、
どんな友達なんだろう」
車の中で何度も想像しては一人で悩んだ。
今では懐かしく思うと同時にそれが猫であるか犬であるか、何かの動物なのであろうと容易く思える話だが、このたった一文章が当時は純粋な少年であった僕をバンプへの世界へと連れていってくれたのである。

アルバム「COSMONAUT」は僕がバンプの中で一番思い入れがあり、それと同時に一番好きなアルバムである。
また、今ではSUPER BEAVERなど歌詞に共感性があるバンドも好きになっているのだが、その原点はここにあると思っている。親に叱られてしまった後の夕食の場面からストーリーが始まる「魔法の料理 ~君から君へ~」や、終わりと始まりについて勇気をくれるナンバーの「HAPPY」など、どの歌詞をとっても鮮明に情景が浮かぶような言葉と藤くん(藤原基央さん、BUMP OF CHICKENのVo.&Gt.)の優しい声、それに呼応するように生み出される楽器隊の音色は当時小学生だった自分にもよく響いた。

僕自身はというと小学4年生の頃に府内での引越しではあるが寝屋川市へと引越しをして、今に至る。
コンビニすらもないどう形容するべきか迷うほど何も無い田舎から車がびゅんびゅんと通っているような都会へ。
見るもの全てが新鮮だった。
思えばこの時にもバンプは僕のそばにいた。
友達との別れに寂しさを感じながらも、新しい生活に対する少しの期待と、少しの心配を胸に詰め込んで引っ越してきた。その心配を消してくれたのは転校初日にできた友達とバンプだった。
この時、初めて「音楽の力」なるものを感じた。

最初に述べた通り、僕は今18歳で、
これから沢山の決断を自らの意思で行っていかなければならない。
夢はバンプのようないつでも皆のそばにいるようなバンドをライブシーンで支えるPAエンジニア。「なれたらいいな」ではなく「なれるものだ」と思っている。

頭でっかちで一丁前にピカピカ光っている僕の「夢」は叶うまで消えないと思うが、今自分の周りにいる沢山の友達にも「音楽の力」なるものを伝えるために、有言実行したいと思っている。


最近、よく友達に歌詞を書くことがある。
僕自身が聴いていて心にグッとくる歌詞を友達にも伝えたい時がある。
タイトルとして使用させていただいたバンプの「花の名」の歌詞である「僕だけに 歌える唄がある あなただけに 聴こえる唄がある」もまたグッときた歌詞の中のひとつである。

先日、予約していたDVD「BUMP OF CHICKEN TOUR 2019 aurora ark TOKYO DOME」が届いた。
1万8700円という高校生にとっての大金をはたいてまでも、喉から手が出るほど自分のお金で欲しかったので両親には買わないようにお願いしていた。

いざ届いて観てみると、さすがツアーファイナルだなあと言わんばかりの圧巻のパフォーマンスがテレビ画面に映っていた。
痺れるような「Aurora」のイントロや「メロディーフラッグ」の一部分をイントロ部分で歌った「GO」、サブステージに移動して熱唱した「真っ赤な空を見ただろうか」など、全ての曲の演奏が美しい時間だった。
前述した「花の名」はアンコールの最終曲として披露された。それも元々はセットリストには入れていなかったのにも関わらずである。
「こんなに喋ってるならもう一曲くらい歌えばいいのか」という言葉と共に披露された「スノースマイル」と「花の名」にはいつも以上に藤くんのオーディエンスに対する熱い想いが詰まっていたと思う。

「僕だけに 歌える唄がある
あなただけに 聴こえる唄がある」

1対1のやり取りの中で生まれたであろう
この歌詞を、僕はこれからも大事にしていきたい。
バンプと僕の"時計は止まらないで動くんだ。"
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