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全方向へ前進、誰も置いていかないが誰も追いつけない

アイドルとは無縁だった自分が、今薦めたいSixTONES

SixTONESに関する文章をこれまでにも音楽文さんにて掲載していただいた。ロックバンドばかり聴いていた自分にとってこれほど衝撃的な速度でこちらを引き込んでくるジャニーズグループの存在が異常だった。何としても、音楽好きの方々の目に留まって欲しい。近頃アイドル誌や芸能を幅広く扱ったカルチャー誌以外にも特にバンドを中心とした音楽専門誌にて取り上げられていることもあり、幅広い層のファンが付いていることをより実感するようになった。

ジャニーズJr.時代の楽曲、デビュー以降のシングル3作品、そして2021年1月6日リリースされた初のフルアルバム。リリースされる度に新しい雰囲気の楽曲に一瞬で虜になる。次回作はどうなってしまうのか、今作を超えることが本当にできるのか、もう手札は全て使い果たしてしまったんじゃないのか、と毎回思い、そしてそんな心配など瞬時に忘れてしまうような想像の遥か上をいく新しい作品が次々と放たれる。誰も彼らに追いつけない。

今までアイドルという存在に興味を示さなかったのは、生感が無いと思っていたからだった。本人たちのリアルな感情や本当にやりたい音楽を極限まで磨き目一杯これでもかと放出してくれるような、ロック精神溢れるものにしか魅力を感じなかった。なので当然、私の知っていたアイドルはそれとは相当乖離したものだった。

SixTONESの楽曲の何が良いのかときかれたら、「どう考えても本気でやってるのが分かるから」と答えると思う。
彼らの個々の好きなものややりたいものをグループとしてどう表現するか、物凄く真摯に向き合ってるからこそSixTONESにはかつてないほどに嵌ってしまった。

私がロックバンドを好きな理由のひとつに、メッセージ性の強さというのがある。本人たち自身が書いた詞をその本人たちが歌うことには当然深い意味がある。自分の詞を歌ってこそだ、と思っていた。その点普通のアイドルに対しては、思ってもないこと歌ってるんだろうなと感じることが多かった。10代、20代半ばの男性グループが本当に好きでやりたいと思う音楽がこれなのか?と懐疑的な目で見てしまうことさえあった。

それを感じさせないのがSixTONESだった。彼らの曲は彼らにしか歌えないと思ってしまうし、彼らでないと意味がないと思う。それには技術的な面も勿論ある。歌唱力の高さや低音高音のバランス、ラップや声質に至るまで生まれ持ったものに加えて相当のスキルがある。だが曲の意味合いや表現の部分でも全く同じことが言える。数十曲を超えるデモから自分達で選曲しているらしいが、むしろ曲自体が彼らを欲してるように感じる。全てがSixTONESでないと意味を成さない楽曲。
最近では特に、複数でなく個人ごとの歌割りが多く曲中で個性あふれる歌声が響き渡り、やりたいものを自由に楽しんでいる風景が想像できる。アイドルといえば全体で纏って歌うイメージがあり、個々の出来は黙認するスタンスだと思っていた。とにかく音楽が好きでグループとして一番大事にしたいと各所で証言しているだけあってその歌唱力も確かだ。

SixTONESには6人のメンバーがいるがそれぞれ好きな音楽のジャンルはバラバラだ。6者6様のルーツがあり攻め方がある。グループとして音楽性を纏めにいくつもりは更々無く、6方向かもしくはそれ以上に放射状に広がっていくように楽曲が放たれる。1月6日に発売されたアルバム「1ST」、まずとにかく聴いて欲しい。完全に行くところまでいってしまっているなと思う。特に印象的なのはまるでクラブのイベントのような雰囲気の「Special Order」、ディープなサウンドが鳴るHIPHOPの「Mad Love」、そして日本特有のボカロ文化をイメージさせまるでSixTONESの6人が歌い手になったような「うやむや」。今までアイドルに触れることのなかった人にも響くのは、こうした幅広い楽曲をとにかく本気でやってるからで、一人残らず虜にさせようと全力で向かってくるように感じる。HIPHOPやボカロという言葉を説明の為に使ったがこのアルバムはジャンルで区分けすることすら野暮だと思わされる一枚。アイドルという存在だからこそ逆にここまで幅広く攻められるのだろう。こうした作品を手に取る度に、更に彼らの音楽が魅力的に思えてしまう。

どの曲からもトレンド感は大いに感じるが、SixTONESのそれは一過性の流行なんかではない。楽曲が独り歩きするような軽率なバズでもない。これがSixTONESだ、とひたすら体現し続けているだけなのだ。

その彼らの力強い音楽を、ひとりでも多くの人に立ち止まって聴いて貰いたい。
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