4294 件掲載中 月間賞毎月10日発表
この数字はTwitterやFacebookでのリツイート・いいねなどの反応数を合算して算出しています。

アーティストとしてのSixTONESが作り上げた名盤

待望の1stアルバム「1ST」リリースに寄せて

SixTONES、ジャニーズの6人組グループ。

メンバーは、ジェシー、京本大我、松村北斗、髙地優吾、森本慎太郎、田中樹(じゅり)。
デビュー1年目にして紅白出場を果たす快挙。
音楽番組だけでなく、ドラマやバラエティで目にする機会も増え、そろそろ「シックストーンズじゃなくて、ストーンズね。」という方々も増えたのではなかろうか。


長年ジャニーズとは無縁で生粋のバンドファンだった私が2ndシングル「NAVIGATOR」で 彼らに魅了されてから約半年。
念願の1stアルバム「1ST」がリリースされた。
このアルバムが、音楽作品としてすごく完成されていて、聞いていて飽きがこない、様々なジャンルの音楽を一枚で楽しめる作品となっている。
まだリリースされたばかりであるが、これはきっと名盤になるはずだ。


キラキラでかっこいい姿を見せてくれるのが"アイドルSixTONES"だとして、これは作品作りという見えない部分にこだわり抜いた、"アーティストSixTONES"の側面が如実に表れていると思った。


"1st"アルバムであること、そしてSixTONESの大文字頭文字をとって"ST"ということでつけられたアルバム名。
これはもはやセルフタイトルに近いものではないだろうか。
アーティストがデビューアルバムやベストアルバムにつけることも多い、セルフタイトル。
実際、私が大好きなバンドUNISON SQUARE GARDENも、1stアルバムはセルフタイトルである。
また、セルフタイトルには名盤が多いとも言われている。
いわば名刺代わりのような、「SixTONES、こんな音楽やってます」の一枚になると思う。

そもそも、気になるアーティストを見つけたときに、詳しく知るための一番の近道は曲を沢山聞くことだと思っている。YouTubeで曲を聴き漁るか、CDを借りるか、最近だとほとんどがサブスク検索かもしれない。
そしてそこで選ばれるべきはシングルではなくやはりアルバムに違いない。(シングルは待てばアルバムに収録されるわけであるし。)
だからこそ、例えば音楽番組でSixTONESの曲が気になった、ラジオで流れていた曲が気になったらSixTONESだった、というところから「SixTONESが知りたいかも」と思った人が今後ありつくのは必ずこのアルバムになるだろう。


「1ST」には3形態あり、共通である本編10曲に加えてそれぞれ異なる楽曲が収録されている。
初回盤A(原石盤)はジャニーズJr.時代の楽曲が5曲収録、初回盤B(音色盤)はメンバー2人ずつのユニット曲が3曲収録、通常盤は新曲2曲とジャニーズJr.時代の楽曲ですでにカップリングとしてリリースされた曲のアルバムバージョンが1曲収録されている。

アルバム本編10曲(有名なシングル3曲とバリエーション豊かな7曲)に加え、原石盤で"過去の彼ら"を、音色盤で"彼らのハーモニー"を、通常盤で"彼らの音楽の可能性"を知ることが出来、それでようやく私達は"本当のSixTONES"を知ることになるのではないかと思った。

通常盤で"彼らの音楽の可能性"が知れる理由として挙げられるのが、この形態にしか収録の無い新曲「うやむや」。これはボカロ調の楽曲となっている。
「1ST」の楽曲たちはユニット曲を含め事前にほとんどの曲が一部解禁されていた。唯一、ずっと謎に包まれていたのがこの曲であり、これはまずCDを買って聞くワクワクをかき立ててくれた。(私はアルバムは特に、音源で初めてかつ曲順に聞くのが好きで、あえて先行解禁などを聞かないこともある。)
また先日、YouTubeにMVが公開されると瞬く間に100万回再生を突破した。
ジャニーズなのにメンバーが登場しない、昨今のボカロPユニットの楽曲を彷彿させるような、全編アニメーションのMV。
これはSixTONESがやってきた、「ジャニーズっぽくない」の最骨頂だと思ったし、心底驚かされた。
6人で歌うからこそ、息継ぎの間がないような、言葉数が多く歌うのが難しい歌詞を歌うことができるという発想も、これをやってしまおうというSixTONESメンバーとスタッフの意志にも圧倒された。
しかも、片目を隠して見ると3Dに見えるMVだったり、最後に"逆再生"などの仕掛けがあるのも面白い。
さらに、これが収録されているのが"通常"盤というのも面白い。もはや通常ではなく異常では…?と思うほど。
私は、曲が良い/悪いとか、好き/嫌い以前に、もう率直に思ったのは「面白い!」だった。
そしてこの曲で初めてSixTONESを知った人に私と同様に「やってること、面白いな」と思ってもらえたらもうSixTONESの勝ちだと思う。絶対に「また次も何か面白いことやるのかな」と気になってしまうから。


ところで、CDが手元に届くということは本当に嬉しいことだ。
アーティストは魂を込めてCDを作っていると思うし、だからこそそれが形として手元に届くことは、即ち大好きなアーティストの魂を自分のそばにおけるような感覚になる。それが好きで、CDを買うことは辞められない。サブスクサービスも使っているが、私は今後も好きなアーティストのCDは買い続けるだろう。

しかしやはりもっと多くのまだSixTONESの音楽を知らない人々へ知ってもらうにはサブスク解禁は必須になってくると思う。大人の事情もあるだろうが、そう遠くない未来に彼らの楽曲も解禁されて欲しい。そして多くの人たちに、彼らの音楽に出会う機会が広げられて欲しい。

良い音楽は押しつける必要なんて全くない。ただ、きっかけがあればいいだけ。SixTONESは本当にかっこいい音楽をやってる。気づいてくれる人を増やせばいいだけだ。世界を目指すためにも、とにかく気づいてもらえるような機会が増えることが大切だと思う。


さて、アルバムの本編10曲にフォーカスすると、まずリード曲である「ST」の"リード曲としての存在感"がぴったりだと思う。ロックで、展開的にも聞きやすい。そもそも収録されているシングル3曲「Imitation Rain」「NAVIGATOR」「NEW ERA」があまりに圧倒的かつ強すぎるわけで、そこにアルバムのリード曲として入る大事な曲でもあるし、でもシングルとは被らないような存在感が必要。「ST」にはメッセージが込められている上、途中で入る「なあ?」という問いかけがすごく残る。聞きやすい、ノリやすい、でも「これがリード曲か!」と思わせる存在感もメッセージ性もある。
これは音楽番組で見るよりも、配信ライブで見た時のほうが遥かに"突き刺さってくる"曲だった。

個人的にすごく好きなのが「Special Order」なのだが、このまるでアラビアンナイトのようなオリエンタルな感じがクセになる。(ちなみに私はBABYMETALの「Shanti Shanti Shanti」も同じ理由で好き。)
クレジットを見ると外国人の作曲家さんのようだった。なるほどな〜。
この曲と、「S.I.X」はいわゆる「ライブ曲」だと思う。ライブで盛り上がるのが想像に易い。特に「S.I.X」は歌詞がもうSixTONESのライブをそのまま歌っている。
だからこそ、きっと多くの人がこの2曲を聞けば「SixTONESのライブってこんな感じなのかな?」という想像をすることができる。
私は「S.I.X」の「フロア中響かせろ」という歌詞がすごく好きだ。一刻も早くSixTONESのライブに行ける世界になってほしいと願うばかりだ。

そしてそのオリエンタルな「Special Order」からジャポニズム感じる「NEW ERA」に繋がる流れもとても良い。

最高のシングルたち3曲に加えて、優しくて切ない「Curtain Call」や、全編英語詞のEDM「Dance All Night」、おしゃれなHIPHOP「Coffee & Cream」と本当にバリエーション豊か。洋楽っぽさと日本のロックが見事共存していて、それぞれ身体の揺らし方が違ってくると思う。これは本当に聴きごたえがある。

そして10曲の最後を締めくくる「Lifetime」。
私はこのアルバムでいちばんポイントになるのはこの曲なのではないかと思った。
というのも、この曲はSixTONESがCDデビューしたからこそ生まれた曲なのではないかと感じたからである。
あくまで個人的な感じ方ではあるけれど、私はこの曲には「SixTONESの音楽に込めた思い」が歌われているような気がした。

ジャニーズはデビューをすることでやっとCDを出すことができる。
SixTONESも、ジャニーズJr.としての下積み時代を経てようやく自分たちの音楽を形として残すことができた。
これは音楽の偉大なところで、音楽は一度世に出すと消えることがないということだ。
そのアーティストが活動しなくなっても、リリースから何十年経っても、世に放たれた音楽は残り続ける。CDが手元にある大きさはそこにも通ずる。
SixTONESの音楽はデビューを経てようやく形として残るようになった。もうこの先消えることはないのだ。

この曲の歌詞は、

「SixTONESの音楽が、ずっとあなたに寄り添うよ。だからSixTONESの音楽を、末永く愛して欲しい。」

そんなメッセージに受け取れてならない。

辛いとき、悲しいとき、元気が欲しいとき、人々は音楽に助けられるのだと思う。嬉しいとき、幸せなとき、それを増幅させてくれることもあるだろう。日常を彩ってもくれる。
私自身もそうだ。何度も何度も大好きなバンドの音楽たちに救われてきたのだ。私の毎日に、音楽は不可欠だ。SixTONESの音楽も、これからきっとそうなってゆく。

この「Lifetime」が本編の最後に置かれているのがまさに「今のSixTONESが、team SixTONES*に伝えたいこと」なのではないかと思うし、この1曲前にはデビューシングル「Imitation Rain」という曲順もすごくグッとくる。
そしてさらにいうと、初回盤Aだと「Lifetime」のあとには彼らがジャニーズJr.時代に初めてオリジナル曲としてもらった曲である「この星のHIKARI」が続く。この流れ、あまりに尊すぎないか。


このアルバムを総括して言えることは、本当に色んな側面のSixTONESが見れるということで、それを実現した大きな要因はメンバー6人がそれぞれ異なる「好きな音楽」を持っていることと、それを持ち寄ったときに、互いに否定することなく受け入れ、自分の好みよりも「6人で歌うなら」を一番に考えることの出来る6人が集まったグループだからなのだと思う。

おそらくSixTONESは「この6人で輝くこと」を追求し続けている。お互いに尊敬していないとそれは成り立たないし、つまりそれは「SixTONESで戦っていく」という強い意志でもあると思う。

先日の配信ライブで初披露された4thシングル「僕が僕じゃないみたいだ」にも本当に驚いた。今度はまた新しい"切ないポップ"だ。2021年のSixTONESからも目が離せない。


SixTONES、たとえ道のりが長かったとしても、team SixTONESで必ず叶えようね。


「待ってろ、世界。」






*team SixTONES
SixTONESにはファンの名称がなく、その代わりに「ファンも合わせてSixTONES」という意味でメンバーたちが使い始め広まった言葉。
  • 投稿作品の情報を、当該著作者の同意なくして転載する行為は著作権侵害にあたります。著作権侵害は犯罪です。
  • 利用規約を必ずご確認ください。
  • ハートの数字はTwitterやFacebookでのリツイート・いいねなどの反応数を合算して算出しています。
音楽について書きたい、読みたい