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同じ毎日を送る、名も知らないあなたへ

BUMP OF CHICKENと、ある主人公

田舎道を車で走っていた。旧国沿いを自宅方面へ向かう途中、横目に赤い光が点滅している。ちらっと目をやると、清掃センターの建物の外壁に点いている光だ。巨大な煙突のようなデザインは、日本全国どこでも同じなのだろうか。この街から出たことの無い私は、いま初めてそんなことを思った。

例の巨大煙突からは、ゴミを燃やすことで発生した煙がもくんもくんと空へ立ち上っていて、急に冷え込んだ今日の外気温と反応し、夜なのに煙が白く見えた。
そのまま車を走らせると、いつも足止めされる信号で今日は青信号のまま通過出来た。
たったそれだけで、今日は少しラッキーな日だったのかもしれないと思う私は、物寂しい人間に成り下がってしまったのだろうか。

そう考えている間にも走りを続ける私の愛車は、今はもうすっかりと輝きを失い、いつ止まってもおかしくないエンジン音が車内まで響く。同じ日など二度と来ない、と、名言ぶって発言したのはどこのどいつだったろうか。以前読み耽っていた小説の主人公のセリフか、あるいは少しだけマイブームになったあのバンドの歌詞だったか。私の毎日は、ブオンブオン、ガタガタ・・・というエンジン音が車内に響く車で、同じ通勤経路をたどり、同じ家に帰ること。
通勤している間、車内に纏わりつく空気は毎日同じだ。

ただひとつ、例に倣わず、輝きを放つものがある。

今日も仕事か、嫌だな、という気持ちを包み込むような、あるバンドの奏でる音だ。

BUMP OF CHICKEN。
幼馴染の4人で結成されたロックバンドだ。確かに小説の主人公が発言したように、同じ毎日は二度と来ない。けれど、毎日同じように、しかし前回以上の輝きをくれるのが彼らの音楽だ。

どの曲がどうとか、言う必要はない。ただ彼らの音楽が、彼らの生き様が、彼らの在りようがそこにありさえすればいいのだ。日々を懸命に生きる私へ、顔も知らないあなたへ、彼らの音楽は一曲一曲、一音一音、振動のひとつに至るまで私の体へ入り込み、心臓が動いていることを教えてくれる。

巨大煙突の煙が白く見える季節がまた来たと感じることも、いつも止まる信号でストレートで通過できたことも、全部が全部、普通だけど、ありふれているけど、かけがえのない毎日だ。彼らの言葉を借りれば、「生きること」がいかに「最高」なのか、思い知らせてくれる。

同じ毎日が来ないのと同じで、同じ朝も来やしない。ただ、朝、車へ乗り込む前、足元へ目をやった時にいつものスニーカーではなく、仕事用のパンプスが目に入った時に頑張ろうと思う気持ちは、毎日同じなのだ。

前を向いて、頑張ろう。上を向いて、頑張ろう。
名も知らないあなたへ、私はここからエールを送ります。

こんなご時世だからじゃないよ。
いち、BUMPリスナーとして、彼らの音楽に救われたものとして、
誇りを持って応援したいだけ。
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