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性春パンクとGOING STEADY

銀河鉄道の夜がいつでも僕等を迎えに来る。

必ずと言っていいほど、私は泣きたくなる時にこの歌を聞く。高円寺でライブをやった帰り道、夜空には雲ひとつなかった。かと言って月も見当たらなかった。
でもなんとなく、銀河鉄道が降りてきそうな夜だと思ったからイヤホンを耳に当てて、爆音で銀河鉄道の夜を聴いて寒い中家まで歩いた。
私は、普段The Vapesというバンドで、ボーカルをやっている。まだまだ売れないパンクバンドのボーカルだ。
ロックに魅せられた私はやっぱりいつまで経っても峯田和伸という人間を見ると涙が出てきてしまう。いつかは私もこんな人間になれるんじゃないかと考えてしまう。
でもやっぱり、この人は唯一無二なのだ。
そしてこの人のやる音楽も誰にも真似ができないのだ。

この曲は、一言で表すと"優しい"と思う。
あくまでわたしの持論になるが、パンクロックというものは70年頃に流行った"反骨精神"そのものの音楽である。
楽器が下手でも歌が下手でも、かっこいいことをやるというのがパンクロックの定義なのだ。
そんな音楽をこんなに優しく歌い上げられる人間はこの世界に何人もいるのだろうか。わたしは他に甲本ヒロトしか思い浮かばない。
サビに入るとギリギリの音程を力強く歌い上げ、楽器が銀河鉄道の夜までのはしごをかけてくれる。
この歌のサビを聞くと、目の前が開けて真夜中なのに暖かいような感覚になり、思わず両手を広げて大声で歌いながら走り出してしまいたい衝動に駆られる。
優しくなったり、抱きしめてくれたりと忙しいこの曲。
気づけば涙はサビと一緒にどこかへ消え去ってしまうのだ。

よだれを垂らしながら、音程がぐちゃぐちゃになりながら、裸で客席に突っ込む姿を見てかっこよくて涙が出てしまう感性を持った自分のことが好きになれる。
うまくいかないことの方が多い世の中で、性春パンクという一つの時代を作り上げたGOING STEADYは、今でも私たちインディーズバンドの一つの目標として輝き続けている。
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