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米津玄師がYMOで桑田佳祐なコト

当代きってのヒットメーカー米津玄師との共通点とは?

坂本龍一さんが自身の公式HPで直腸がんであることを公表されました。

坂本さんの“Merry Christmas Mr.Lawrence”は、それまで歌謡曲ばかり聴いていた私に歌詞のない「音楽」だけで感情が揺すぶられ涙がでること教えてくれた曲でした。それがきっかけで「教授」こと坂本龍一さんの大ファンになり、坂本さんがDJをされていたNHK-FMの「サウンドストリート」を毎週楽しみに聴いていました。この番組でサディスティック・ミカ・バンドやはっぴいえんど、ムーンライダーズなどのクラスメート達が知らない音楽に触れることができました。
紡がれる音楽はもちろんのこと、冷静で理知的な発言も素晴らしいと思っています。少しでも体調が良くなられることを願ってやみません。

坂本さんは、ご自身も出演された映画『ラストエンペラー』の音楽で日本人で初めてアカデミー作曲賞を受賞されるなど個人としても輝かしい功績をお持ちですが、忘れてはならないのは細野晴臣さん、高橋幸宏さんと結成されていたYMOでの活躍でしょう。私がまだ、アイドルのトシちゃんが好きだった頃に買ったアイドル雑誌『明星』か『平凡』にすら「ピコピコサウンド大躍進」というような題名でYMOのワールドツアーの模様が特集されていました。このYMO、当代きってのヒットメーカー米津玄師さんと共通点があると思うのです。

米津玄師さんとYMO


米津玄師さんとYMO、いったいなんの共通点が?と不思議に思われるかもしれません。
米津玄師さんとYMOの共通点、それは


以前と以後で音楽のスタイルが変わった

という点です。

今では、当たり前となったシンセサイザーとコンピュータを用いる音楽スタイル。YMO以前にも、冨田勲さんなど、そういうスタイルのミュージシャンはいましたが、それを日本の音楽シーンに浸透させたのはYMOでした。


YMOのワールドツアーの翌年の1980年に発売された曲があります。それは、榊原郁恵さんの”ROBOT(ロボット)”という曲です。その後、アイドルの曲に当たり前の様に使われるようになったシンセサイザーを初めて使ったと曲だと思います。私は小学校低学年だったのですが、榊原さんが体をカクカクさせて踊る「ロボットダンス」と当時、聴きなれなかったシンセサイザーの音が印象的でテレビで一度観ただけだと思うのですが、忘れられませんでした。実は、この曲、昨年亡くなった筒美京平さんの作曲。当時の最先端の音楽のスタイルを、今聴くと思いのほか歌の上手い榊原さんに歌わせるという「遊び」をされたのかなと思います。


米津さんもYMOと同様に、登場した以前と以後での音楽スタイルが変わりました。“Lemon”の「ウェッ」や“Flamingo”で多用されたボイスサンプル。“Lemon”発売時「あの「ウェッ」はなんなんだ?」と言う人がいましたが、“Lemon”の大ヒットにより、すっかり浸透してしまった感があります。

“灰色と青”の冒頭で使われたデジタルクワイア。“海の幽霊”ではさらに印象的に使われています。
ちなみにYMOのシンセサイザーとコンピュータはクールでした。湿っぽさがなく乾いたサウンドでした。デジタルネイティブの米津さんのデジタルクワイアには抒情的な温かさがあります。YMOの結成は1978年。40年近く経ちました。その間にコンピュータを体に落とし込んだ音楽家が現れたのだと思います。


最初は尾崎豊かと

私が米津玄師さんを知ったのは、ドラマ『アンナチュラル』の主題歌“Lemon”でした。

その時はあまり米津さんのことを知らず「十年に一人の天才」、「10代の頃から、ニコニコ動画で注目されていた」、「孤独な少年だった」という周辺情報のみ聞きかじっていました。
その頃は、

こういう人知ってる。尾崎豊じゃん……。

と思っていました。

ですが、米津さんのファンになり彼の音楽、インタビュー、書かれた文章に触れていくうちに、尾崎豊さんとはちょっと違うという気がしました。尾崎さんは才能、容姿、声と揃った神から使わせられた天使のような人でした。ですが「尾崎豊というカリスマ」を演じなければと無理をしていた気がするのです。それに比べ、米津さんは「米津玄師というカリスマ」を演じるのではなく、有名になればなるほど自分に正直であろうという気持ちが強い気がします。

二人と早熟な天才という点は同じですが、同じ天才でもっと似ている人がいます。

それは桑田圭祐さん。
言わずと知れたサザンオールスターズのボーカルです。

米津玄師さんと桑田圭祐さん、その共通点とは?

米津玄師さんと桑田圭祐さん、全くタイプが違う。そう思われる方がほとんどだと思います。“勝手にシンドバッド”で鮮烈なデビューを飾った「陽」のイメージの桑田さん。対して米津さんは「陰」のイメージが付き纏います。

真逆なイメージの二人ですが大きな共通点があります。それは


「っぽい」ミュージシャンがいない。


という点です。

人気のミュージシャンが現れると、たいていそのミュージシャン「っぽい」ミュージシャンが登場します。

ですが、桑田さんはあれほどの、人気とキャリアを持ちながら「桑田圭祐っぽい」ミュージシャンは登場しません。多くのミュージシャンに影響を与えているにも関わらずです。それだけ唯一無二の才能、存在ということなのでしょう。

米津玄師さんも、ボカロP時代から多くのミュージシャンに影響を与えながら、「米津玄師っぽい」ミュージシャンは現れません。そして桑田さん同様、他の追随を許さない存在となったのは昨年のアルバム『STRAY SHEEP』での年間ランキング28冠、ソロ史上初のダブルミリオン達成という記録からも窺い知れます。

これから、米津さんがどれだけ大きな存在となっていくのか、見届けたいと思います。私の命がある限り。


以上、「米津玄師がYMOで桑田佳祐なこと」でした。

最後まで、読んでいただいてありがとうございます。
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