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7人の『Animal』が魅せる挑戦と希望

世界を見据えるBALLISTIK BOYZ

BALLISTIK BOYZ from EXILE TRIBEは、7人全員が歌って踊るダンス&ボーカルグループ。2019年5月にデビューした、EXILE TRIBEで最も若手のグループである。




BALLISTIK BOYZはいつも、“攻めて”いる。

たとえば昨年末のオンラインライブ。
自粛期間を機に始めたピアノやバンド演奏、ソロパフォーマンスなど、これまでにない新しい試みを見せてくれた。ライブが次々と中止になり大きな打撃を受けたであろう状況下で、自分にできることを見つけ、地道に努力し、わずか1年足らずで表舞台でパフォーマンスをする。その一連の背景に私は、涙するほど感動をおぼえた。

しかし彼らは、「まだ完成じゃない」と言う。あくまでこの挑戦はスタートで、ターニングポイントであると。今後の自分たちへのプレッシャーともいえるそのことばは「BALLISTIK BOYZはさらに成長していく」という、強い意志表明なのだと受け取った。

1年間の取り組みをライブパフォーマンスで見せ、激動の2020年を「無駄じゃなかった」と言いきった7人。「この1年、何だったんだろうね。」などと言ってしまいがちだった私にとって、彼らのそのことばは本当に救いとなった。逆境をすべて力に変え、新たな景色を見せてくれる彼らが誇らしかった。




そんなBALLISTIK BOYZが2月3日、3rd Single『Animal』を発売する。



表題曲は、グループ初となるミディアムバラードのR&B『Animal』。

昨年2月に発売された『ANTI-HERO’S』や8月の配信限定シングル『SUMMER HYPE』とは違い、恋い焦がれる衝動や色情を歌う大人のラブソングだ。まだ3枚目のシングルで、このようにセクシーな曲がくるとは想像していなかった。

冒頭とサビでは砂田将宏くんのまろやかな歌声が切なげに響き、恋に溺れる世界観により深い色合いをもたせる。〈動き出す Rollercoaster〉〈揺らすbody 朝が来るまで〉(※1)などの英語が混ざり合う歌詞においては、深堀未来くんの声質とアクセントの付け方が、抑えきれない衝動をより鮮明に描き出しているように感じる。

官能的な歌詞とは裏腹に、MVでは白いスーツや洗練されたダンスによって“色欲”よりも“美しさ”が前面に出ている印象を受けた。女性とのシーンは映画のフィルムのように映し出され、熱い視線を送る人、優しく指を絡める人、並んで身を寄せ合う人など、メンバーそれぞれのアプローチが見られる。

もともと全編英語詞で制作されていた本作は、〈I can’t control it, 脱ぎ散らかすフロアに〉〈正気じゃいられない〉(※1)と、情景や心情をあえて直接的に表す箇所が多い。色気のある曲調でもいやらしく感じないのは、駆け引きなどをせず一直線に想いを寄せる等身大な様子が窺えるためだと考える。また、DVDのみで観られるMVの前後のストーリーには、今の7人らしさが満載。音源、YouTubeのMV、フルバージョンのMV、と、3段階で異なる世界観を味わえる。(個人的には、後者になるほどかわいい世界になる。)

『Animal』は7人の新しい一面を見せてくれた。しかしそれだけでなく、平均年齢21.8歳の彼らがこのタイミングで大人びた曲を出したことは、年を重ねるにつれてパフォーマンスの変化を味わえるという点においても、大きな意味をもつだろう。





2曲目の『Life Is Party』は、キャッチーなサビで自然にリズムを刻んでしまう、底抜けに明るいパーティーチューン。

色っぽい『Animal』が夜なら、『Life Is Party』の舞台は朝。しかし小鳥のさえずりや暖かな陽だまりに包まれるのんびりとした休日の朝、ではない。曲名にパーティーとあるが、ドレスアップした非日常なイメージとも個人的には異なる。

〈#Weekendが待ち遠しすぎる なんてつぶやきに 頷いてる暇ない〉
〈#IHateMonday なんて 言ってたら負け決定〉(※2)
冒頭の歌詞にもあるように、この曲はありふれた“日常”を楽しく過ごそうと呼びかける。それが自分たちのスタイルだ。自分次第で世界は変わる。そう手を引いて、すこし重たい月曜の朝に彩りを与えてくれる。

最近はコーラスを多く担当し楽曲に深みを出している日髙竜太くんが、今回も勢いのいいフェイクで曲のスタートを賑やかに盛り上げる。落ちサビの〈目の前の現実(リアル) 塗り替えて行こう〉(※2)というフレーズでは、加納嘉将くんの伸びやかな歌声が景色を明るくさせる。暗い昨今の状況と相まって、彼の声の力強さがストレートに心に響いた。

聴いていると、後ろ向きな感情に支配されるのがばからしく思えてくる。曲名の通り日常をパーティーのように楽しむ7人のハッピー全開な歌声に、気づけば背中を押されているのだ。はちきれんばかりの笑顔でこの曲を歌う7人を早くライブで見たい。『Life Is Party』は、その日まで元気でいよう、と前を向かせてくれる曲だ。





3曲目はラップを担当する海沼流星くん、奥田力也くん、松井利樹くんによるヒップホップナンバー、『HIGHWAY』。イントロは古い洋館で流れていそうな、仄暗い雰囲気を醸し出す。

3人がすべて作詞を手掛ける。ポルトガル語、英語、中国語が織り交ぜられた、BALLISTIK BOYZのラッパー3人にしか作れない、歌えない曲だ。

〈Haters 気にせず前へ〉などと強気な歌詞が並ぶなか、〈愛する Family なら BBZ〉(BBZ=BALLISTIK BOYZ)と歌う。(※3)帝王のような貫禄でパフォーマンスをしながら、普段は愛情の込もった優しいことばを紡ぐ、いい意味でギャップの激しい3人そのもののような世界観だと感じた。

海沼流星くんの声はメロディーに乗っていて抑揚があり、挑戦的にたたみかける普段のラップでは聴けない高音など、ひと味違う一面を見られる。続く松井利樹くんの太く凄みのある重低音はいい意味で平坦。堂々とした威厳を感じさせ、対照的な2人の歌い方が互いの魅力を際立たせる。そして奥田力也くんの流暢な英語と音の運びがとてもスタイリッシュで、特に後半〈You wanna play?〉(※3)からの細かい音の連なりは圧巻。

曲名『HIGHWAY』には「それぞれ違う個性やストーリーを持った3人が、同じ方向に向かって並んで走っていく」という意味がある(B-PASS 3月号より引用)。三者三様の声質や歌い方すべてがひとつの大きな魅力となって輝いているさまは、まさに『HIGHWAY』を体現している。

他国の言語が多くヒップホップ色の強いこの曲の存在は、J-POPに馴染みのない人に手に取ってもらうきっかけになるのではないか。世界進出を目標としている彼らの、これまでの積み重ねと本気度が現れている。





セクシーな洋楽テイストのR&B『Animal』、アップテンポで元気のいい『Life Is Party』、ヒップホップで強さを魅せる『HIGHWAY』。
そして青空の似合う爽やかなメッセージソング『WAY TO THE GLORY (BALLISTIK BOYZ ver.)』で締める本作は、4曲すべてのジャンル・曲調が異なる。

聴く人の音楽環境やジャンルの好みを問わず多方面に届けられるこの構成は、“変幻自在”を謳うグループだからこそ。どのような雰囲気の曲でも、彼らは自分たちのものにしてしまう。BALLISTIK BOYZの今を応援できることを誇らしく感じるとともに、これからも夢へと突き進む姿を見ていたいと思わされる作品だった。





BALLISTIK BOYZはいつも、“攻めて”いる。

今回の楽曲も同じだ。個人の感覚だけれど、J-POPに最も馴染みのある私にとっては『Life Is Party』の方が表題曲らしいし、『Animal』がカップリングですと言われた方が納得できる。しかし彼らは1年以上あたためてきた洋楽テイストの曲で、目標とする世界進出に向けて、真っ向から勝負をした。

自分たちで「未完成」と言うライブパフォーマンスや、すこし背伸びをした大人な雰囲気の、あまり日本には馴染みのない新曲。彼らが私たちに魅せるものにはいつも、未来を見据える熱い視線がある。目標に邁進していく、挑戦的で強気な背中がある。

ピアノやバンド演奏の「完成」の瞬間。
セクシーな表題曲のパフォーマンスがより板につくとき。
世界を舞台にさまざまな国で活躍する7人。
そんな場面を、いつか見たい。見せてくれるはずだと信じさせてくれる。

大袈裟に聞こえるかもしれないが、年末のライブには本当に「希望」のようなものを抱いたのだ。そして年明けの新曲でも新たに攻めた挑戦をしているものだから、これからの7人がますます楽しみになった。

〈きっと涙のページをめくれば 新しい時代の向こう〉(※4)

4曲目の『WAY TO THE GLORY』で彼らは歌う。
7人の挑戦の姿勢は、私たちにとっての希望だ。いまだ先が見えない状況が続くが、〈新しい時代の向こう〉まで元気に過ごして、彼らの熱を直に体感できるその日まで、前を向いていよう。いつも未来に希望をもたせてくれるグループに出逢えて、夢への過程を見ることができて、幸せだと強く思う。



たくさんの人に『Animal』を聴いてもらえますように。

最高のシングルをありがとう。



〈〉内に示した本文中の歌詞はBALLISTIK BOYZ『Animal』より、以下の曲から引用。
※1:『Animal』
※2:『Life Is Party』
※3:『HIGHWAY』
※4:『WAY TO THE GLORY』
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