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成人の日、Vaundyが思い描いた“未来”に立ち会う。

studio mini live “HATSUGAの芽”で見えた矜持と希望の光

民法改正により、日本では来春から成年年齢が20歳から18歳に
引き下げられるらしい。一般的に“成人”とは、“心身が発達して
一人前になった”人を意味する。
では何を以て“発達”と見做すのか? 何ができれば“一人前”なのか?
そもそもこれまでの“ハタチ”は、“オトナ”だったのか? そして現代の
18歳は、“成人”に相応しいのだろうか?
あれこれ考え出したらキリがない。

成年か未成年かの法的な定義は、この世を生きる上でやはり必要だ。
でも個人的には、それが18であれハタチであれ今の世に適している
のなら、どっちでもいい。“成人”の概念って、年齢だけで決まるもんでも
ないから。
例えば“自分の足で立ち自分で物事の良し悪しを判断し、己の言動に
最後まで責任を持てる”人、加えて“周りの意見に耳を傾け感謝や敬意
を示せる”人。そういう事が能動的にできるのであれば、何歳だろうが
私は立派な“オトナ”として認めたい。

ちなみに20歳の私は、まだ親のすねをたっぷりかじっていた。大学生
になっても周りの顔色を気にしてばかりで、自分の考えを口にするのを
諦めがちな弱輩で。成人式はどうだったかと言うと、九州からの上京組
だから、地元でもない街の式典に行く気もなく・・・。
なのに毎年【成人の日】になると、思い出してしまう。あの年、帰省するや
否や母に時期外れなのに「成人の記念に」と押し切られ、振り袖(借り物)
を着せられ町内の写真館で“見合い写真”を撮らされた不甲斐ない
自分を・・・

******

「もう中学生の時から成人式にライブやることは決めていました。
なので、もともと成人式に行く予定はありません。」
「今日成人を迎える人達もこの先成人になる人達にも、
未来に自信と希望を持っていけますように、そんな願いを込めて
“HATSUGAの芽”を届けます。」
(2021.1.11付Vaundy公式Twitterより拝借)

今年新成人のVaundyが、“成人の日”にYouTubeで生配信を行った。
実はこの日、新成人限定でワンマンライブを開催する予定だったとか。
しかし、新型コロナウイルス感染拡大止まらず、取りやめに。その代わりに
Vaundyの粋な計らいで急遽、ミニライブ“HATSUGAの芽”が行われた
のである。
有り難いことに、この配信は新成人じゃなくても無料視聴可能で、彼らの
親世代な私でも気軽に参加できた。お蔭で、20歳の頃は特別な想いも
なかった“成人の日”の意義を、この歳になってしみじみ感じることができた
気がする。それほど、この一夜の出来事はVaundyと新成人、その他の
視聴者も含め立ち会った全員にとって意味のあるライブだった。

当日のTwitterで本人が記したように、中学時代Vaundy少年は既に、
“自分の成人式にライブをすると決めていた”というから驚きだ。
ハタチになったら具体的に何をしようとか、考えてたんだろうか・・・
なんて10代の私を振り返っても何も思い出せない。ただ漠然と
夢を抱えてふわふわと生きちゃった自分が、急に恥ずかしくなった。
だから、Vaundyが長年の夢、成人の日にライブをするという“未来”を
実現したのを見届けて、これこそ“成人”に相応しい姿!と感心するやら
リスペクトするやら・・・とにかく刺激を受けまくったのは確か。

世界中が新型コロナウイルスという難題を抱えて暮らさなければ
ならなくなって、早一年。
“当り前”を当り前にすることが難しくなり、音楽業界も当然の如く
身動きが取れなくなっていった。動いても動かなくてもあらゆるリスクを
負うことになる。そのジレンマに縛られ、ここ一年音楽の作り手も
聴き手も充分に苦しんできた。けれども“できない”と嘆き悲しみ
不満を言ってばかりでは、状況は何も変わらない。
こんな時、“オトナ”であればきっと乗り越えられる。ニューノーマルな
時代だからと悲観せず、この制約ある空間で自分が何をしたいのか
何ができるのか臨機応変に行動する。そういう人が率先して新しい
道を切り開いていけば、今の世の中もマシになるんじゃないかと。

Vaundyは、世の中がこうなる前からマルチクリエイターとして攻め
続けていたように見える。そして最近でさえメディアに出る度に、
「今年はマルチな部分を出してクリエイティブに。」と、音楽に限らず
様々な方面へ興味の幅を広げ、ポジティブに夢を宣言している。
今回の成人式ライブは、彼の初めの計画とはカタチが変わったかも
しれない。それでもコロナ禍を逆手に取ったような、“できる”ライブの
カタチで存分に楽しませてくれた。短い時間だし演奏者も観客も
“完全非接触型”なのに、その時刻その場に集まったみんなを近く
に感じる演奏演出で、不思議な一体感を生み出していたのだから、
さすがだ。

彼は本番直前までインスタライブでファンと触れ合い、テンションを
アゲてウオームアップしていた。その間、ライブ中継用画面にはコント
ロールルーム越しのスタジオが薄暗いまま映し出され・・・ひとり、また
ひとりとバンドメンバーが各専用ブースの扉を開けて入り、スタンバイ。
中央フロアにVaundyが登場したのを合図に『不可幸力』、『灯火』、
『世界の秘密』、『東京フラッシュ』と一気に視聴者の心を掴む。
その勢いは視聴者数に表われ、みるみる3万3000人を超えていく。

PCモニター越しにも熱気を感じ始めた頃。疾走感炸裂の『二人話』
(未配信曲/ゲーム【A.I.M.$】「神門」のテーマソング)の熱唱で、ボルテージは
最高潮。
アウトロまで全力で駆け抜けたVaundyは「ありがとうございました!」の
ひと言を残し一瞬で暗闇(真っ黒の画面)に消えた。
20歳の記念日にジャスト20分間でライブを終えるなんか、偶然すぎ
てもカッコいい。自分の成人式を記録しておきたい人も大勢いると
いうのに、Vaundyはこのライブのアーカイブも残さない。
いい意味でドライ、そして気持ちいいほど潔い。

そう、彼は常に前を向いている。どんな状況下でも新しい目標を掲げ、
そこに向かって日々を楽しむ。この“仕事に対して真摯”な態度こそ、
真のオトナで、Vaundyがクリエイターとして常に攻め続けられる力に
なっているのだろう。
ところで『二人話』は、過去の迷いや悲しみを吹っ切って前へ進み
始めたハタチの覚悟にも重なるように聞こえる。記念すべき日の最後に
この歌を唄ったのは、新成人Vaundyなりの決意表明なのかもしれない。
なんとも清々しいライブだった。“HATSUGAの芽”の名の下に、新たに
何かが始まる“芽吹き”の瞬間を、目撃した喜びは大きい。

******

ライブ翌日。Twitterで、彼は長年の夢を成し遂げた今の想いを、
こんな言葉で伝えていた。

「HATSUGAの芽 最高の2021年のスタートを迎えることができました。
“できないこと”の方がよく見えるようになったこの時代に、
その中から生まれる新しい“できること”のカタチをこれからも探し、
希望として実践していきたいと思います。 ありがとうございました。
そしてこれからも力を貸してください。」
(2021.1.12付Twitterより拝借)

はじめに私が挙げた立派な“オトナ”像、まさにVaundyのことだった!
ライブ以外でチラリと見える素顔は、その辺の若者と何ら変わらず20歳
なりの可愛らしさもあるけれど、中身はこっちの背筋がシャキッと伸びる
ほどオトナ度の高い人なのかもな。
行動力も実行力も責任感も一人前なVaundyは、今年クリエイター
としてどんな風に羽ばたくのだろう? 私が観た“HATSUGAの芽”は、
Vaundyの成長と飛躍を期待せずにいられない“記憶に残る成人式”
だった。
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