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サトヤスのsupernova

BUMP OF CHICKEN meets [Alexandros]

私は24時間、365日、音楽に包まれて過ごしたいと思っている。
だから寝る時も、寝る時専用のプレイリストを作って、音楽をかける。
そのプレイリストには、BUMP OF CHICKENの「supernova」という曲が入っている。
失うことによって実感する大切なものの存在を歌う、藤原基央の世界観が感じられる名曲だ。
「supernova」は日本語で「超新星」というらしい。
専門的なことは分からないが、調べてみると、星が死ぬときに起きる大爆発のことのようだ。


さて、タイトルのもうひとつの単語「サトヤス」とは、もちろん[Alexandros]のドラマー庄村聡泰のことである。
彼は昨年1月、局所性ジストニアのためバンドを勇退すると発表した。
本来はその年の5月に、ベストアルバムのリリースをもって勇退する予定だったが、巷を騒がすウイルスがこの大事な節目を襲った。
ライブという音楽ファンの居場所を奪ったウイルスが、別れを惜しむ我々の気持ちを汲んだかのように、彼の勇退を幾度も延期させたのは、何と皮肉なことだろう。
勇退発表から1年以上が経過した今年、ついにその日が決まった。
3月21日、彼の誕生日に開催されるライブをもって、サトヤスはバンドを離れる。
そう、ドラマー庄村聡泰という星が最後の大爆発=supernovaを起こし、新たな星に生まれ変わる日がいよいよやってくるのだ。


なぜこのタイミングで、昔から知っているこの歌が、私の耳に留まったのだろう。
単なる偶然なら、あまりにも出来すぎた展開だ。
特に間奏を抜けて徐々にコーラスが重なっていく後半は、私達ファンと[Alexandros]の姿を投影せずにはいられなかった。

 歳を数えてみると 気付くんだ 些細でも歴史を持っていた事
 それとほぼ同時に 解るんだ それにも終わりが来るって事

私達ファンはそれぞれに、バンドとの思い出、バンドとの歴史を持っている。
でも私達は、それに終わりが来ることを知ってしまった。
サトヤスと、サトヤスのいる[Alexandros]との歴史に、まもなく終わりがやってくる。

 君の存在だって いつでも思い出せるけど
 本当に欲しいのは 思い出じゃない今なんだ

映像作品もたくさんあるし、形には残ってない私の中の思い出もある。
でも欲しいのは、目の前のステージでコックピットのようなドラムを駆るサトヤスだった。

 君を忘れた後で 思い出すんだ 君との歴史を持っていた事
 君を失くした後で 見つけ出すんだ 君との出会いがあった事

サトヤスがツアーから離れ、バンドはサポートドラマーを迎え活動を続ける。
それが当たり前になってきた頃、あのビートに初めて触れた日を思い出した。
あの高さに据えられたシンバルには、いつ再会できるのだろう、と思っていた。

 誰の存在だって 世界では取るに足らないけど
 誰かの世界は それがあって 造られる

とあるバンドからドラマーが抜ける。世間ではそれだけの話。
でも私の大好きな[Alexandros]の音楽は、サトヤスがいて成り立っていた。
音楽がないと生きていけない私の世界も、サトヤスがあって造られていた。

 君の存在だって 何度も確かめはするけど
 本当の存在は 居なくなっても ここに居る

今までを振り返り、サトヤスという存在を何度も確かめた。
でもこうして振り返ることで気づいた。
たとえ彼が目の前のステージにいなくても
たとえもう二度とあのドラムを感じられなくても
こうやって振り返ることができるほど色濃く、サトヤスという存在は[Alexandros]の音楽を通して、私の中にしっかり刻まれていた。

 僕らの時計は 止まらないで 動くんだ

[Alexandros]が歩んでいる道は枝分かれし、サトヤスと他の3人は別の道を進んでいく。
歩みを止めない彼らと共に、私の世界も止まらず続いていく。

 ラララ

彼らから届いた音楽に、私達ファンはこうやって声を重ね、ひとりひとり違う歴史を重ねてきた。
サトヤスは勇退によって[Alexandros]の歴史の一部になり、その歴史と一緒にバンドは時を刻み続ける。
[Alexandros]の時計が動く限り、歴史となったサトヤスはそこにいる。
本当の存在は、居なくなってもここに居るのだ。


私はサトヤスに「辞めないで」と言いたい訳ではない。
「これからも応援してる」と言いたいのだ。
憶測に過ぎない話だが、サトヤスは自分の置かれた状況を知ってから、何ならもっと前、違和感を感じた時から昨年1月の勇退発表まで、私の想像では到底及ばない深い場所で、幾度も悩み、苦しみ、この結論に至ったのだろう。
そこを経て出した答えを、彼は誠意を持ってファンに直接伝えてくれた。
私はその誠意に、[Alexandros]と庄村聡泰、それぞれの道を心から応援することで応えたい。


最後に、どうしても触れたい一節がある。

 本当のありがとうは ありがとうじゃ足りないんだ

私はこの歌詞を、サトヤスの受け皿となり、長期間サポートを務めるリアド偉武に贈りたい。
サポート当初はBIGMAMAの活動と両立して、短期間で曲を覚え、海外ツアーやフェスに帯同し、ファンクラブ限定ライブにも出演した。
[Alexandros]が進み続けられた大きな要因のひとつは、紛れもなくリアドのサポートであり、リアドのおかげで私達には絶えることなく、[Alexandros]の音楽が届いていた。
この感謝は「ありがとう」では到底足りないが、悔しいことにこれ以上の言葉が見つからない。


昨年放送された「THE MUSIC DAY」での紹介曰く、彼らの代表作「ワタリドリ」は今や卒業式の新定番になっているらしい。
この勇退は、世界一の愛されドラマーの卒業式だ。
「ワタリドリの様に今 旅に発つよ」
彼の背中は、その日どのように見えるのだろう。
「ありもしないストーリーを 描いてみせるよ」
そんな自信に満ちているのだろうか。
「いつかまた会う日まで」
私は庄村聡泰という星を応援したい。
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