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今も鳴り止まない「拝啓、いつかの君へ」

“正義”で魅せた感覚ピエロ、“心の声”で応えた自分……「拝啓、いつかの君へ」が今も鳴り止まない

緊急事態宣言下で野外フェスが開催されるといった状況にやや後ろめたさを感じながらも、絶対に感染しない、感染させないという強い意志を持って参加することを決意した「JAPAN JAM 2021」。

最寄駅が近づくにつれ、期待と不安が入り混じった複雑な感情に押し潰されそうになるも、会場内外で行われているスタッフさんによる徹底した警備体制や、“密”を回避するよう作られた十分なスペースが保たれているステージ前方のエリアなど、感染症対策がしっかりされていたことから、次第に期待が大きく上回っていく。

そんな中、SUNSET STAGEのトップバッターを務める感覚ピエロが控えていた同ステージへと急いだ。遊び心のある曲で観客を楽しませたかと思いきや、今度は真剣な眼差しでメッセージ性の強い曲を歌い上げる――。そんな“ギャップ”が彼らの魅力だと思っている。

感覚ピエロに魅せられたのは今回だけではないものの、この日ぶつけてきた彼らの“本気”にはひときわ熱いものを感じた。個人的MVPは「拝啓、いつかの君へ」である。今回はその魅力について自由に語っていきたい。



“その瞬間”は突然やってきた。


拝啓、いつかの君へ
そんなに愛想笑いが巧くなってどうするんだい?
忘れた訳じゃないだろ いつまでそこで寝てんだよ
「あんたの正義は一体なんだ?」

――感覚ピエロ「拝啓、いつかの君へ」


ボーカル・横山直弘(以下、横山さん)は「拝啓、いつかの君へ」で、そう問いかけたのである。これまで何度かライブへ行く機会はあったものの、周りには理解されないだろうという想いから見送ってきた自分自身が重なった。“愛想笑い”で自分自身の本心を誤魔化し続けてきたのだ。そうしていつしか周りの空気を読むことが巧くなってしまった自分に向けて放たれたかのような言葉である。


目に映るすべての景色が変わって 変わって 変わって
淡々と進んでいく毎日にいつしか 流れて 流れて 流れて

――感覚ピエロ「拝啓、いつかの君へ」


コロナ禍に入ってから、いろんなものが変わってしまった。そんな日々に次第に流されるようになってしまった自分に向けて、再び横山さんは問う。


AとBの選択肢 突如現れた狭間に
あんたの正義は助けてくれるのかい?

――感覚ピエロ「拝啓、いつかの君へ」


自分の中にブレない“正義”があれば、目の前に2つの選択肢が用意されたとしても、迷わず選択できるはずなのである。今はまるでない、コロナ禍以前の自分は持っていた“正義”が微かに蘇ってくる中、横山さんはこう続けた。


白に黒を塗り足して
今はまだ何も見えなくていいよ 描いて 描いてみせてよ
今ココに在るものすべて僕等が壊してあげるから いつでも
「あんたの正義は一体なんだ?」

――感覚ピエロ「拝啓、いつかの君へ」


“常識”や“固定観念”など、世の中の“普通”や“一般的”とされるものを、感覚ピエロは“すべて壊してあげる”とでも言ってくれているように感じた。それらを気にして生きていくよりも、自分の人生を自分らしく“描いてみせてよ”と一人ひとりの心に訴えかけているように聴こえたのだ。そんな横山さんの“声”に力強くうなずくかのように、激しくヘドバンした。


何度だって声に出して
夢に向かって立ち上がって
壊れたってまた創って
愛を持って生きてくんだ
いつの日にか叶えるんだ

――感覚ピエロ「拝啓、いつかの君へ」


3回目の緊急事態宣言、つまらないミスの多い仕事、進めたくてもどかしい社内恋愛――。物事がすべて好転してほしい、上手くいってほしいと願いながらも、そう簡単に理想と現実の歯車は噛み合ってはくれない。どうにも上手く進めることのできない自分に対して、苛立たしさを感じていた。それでも“夢に向かって立ち上がって”、“いつの日にか叶えるんだ”という希望の灯だけは消えなかった。想いが一気にこみ上げてきた瞬間だ。


あんたの正義にどこまで覚悟があるかは知らないけど
黙って 黙って 見てなよ
理解されなくてもいい 今はまだ何も見えなくても

――感覚ピエロ「拝啓、いつかの君へ」


いつでも音楽は自分を救ってくれた。今度は自分が感覚ピエロらアーティストを救う番。自分の好きな音楽を止めたくなかったからこそ、今回、このフェスに参加したのである。未来でもその素敵な音楽を鳴り響かせてほしいという想いから、自分でも徹底的に感染対策をし、感染しない、感染させないという意志を持って参加することに決めたのだ。自分の中の想いがより一層、強まっていくのを感じた。


拝啓、いつかの君へ
自分の信じた正義なら選んで進んでみせなよ
拝啓、いつかの君へ
今ココにあるものすべて

「あんたの正義に覚悟はあるのか?」
拝啓、いつかの君へ

――感覚ピエロ「拝啓、いつかの君へ」


自分の信じた“正義”に、覚悟はある。こうして野外フェスに参加したことも、まだ叶えられていない自分の夢や目標を叶えたいということも。逃げるという選択肢もあったが、“進む”という選択をしたのは他の誰でもない自分自身である。もしかしたら、これまで自分に自信が持てなかっただけなのかもしれない。かつての自分は、今もココに生きていることを実感した。

今日も感覚ピエロの「拝啓、いつかの君へ」が鳴り止まない。「あんたの正義は一体なんだ?」。そう問いかける横山さんの声が今でも鳴り響いている。
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