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ありがとう、スピッツ、また、会えたよ。

NEW MIKKE TOUR 2021で見つけたもの

コロナで延期につぐ延期になっていたツアーが、新装して再開。
実は、結構抽選で落ちまくり、もう行けないのかあとため息ばかりをついていたのですが、今回はコロナ下ということもあり、遠征して参加される方が躊躇したのか、2夜連続で横浜ぴあアリーナMMに参加することができた。

久しぶりのコンサート。はやる心を抑えていざスピッツ。

草野マサムネの歌声は、やはり、神がかっている。
この声を聴くと、すべてのイガイガがなかったことになる。
魔法だ。
確かな魔法だ。
生きていてね、また会おうね。
そんな言葉が歌声にのって、それぞれの心に突き刺さってくるようだ。

若い時はそれなりに音楽を聴いてはいたが、働き始めると途端に時間が無くなる。
年を重ねた今なら、それなりにうまく自分時間を確保する術を身に着けるものだが、あの頃はすべてが走馬灯のように過ぎ去っていった。
空回りしはじめた日々。
音楽を聴く余裕などいつのまにかなくなっていた。

仕事とか恋とか、追いかけなければいけないものがたくさんあり、
ちょっと立ち止まってしまった時に聴こえてきた「ロビンソン」
最愛の父を亡くして、途方にくれた時に聴こえてきた「空も飛べるはず」

あの頃はスピッツの蒼さがもう自分にはないもののように思え、
そのままにしていた。
もう追いかけてはいけないもののように思えたのだ。

そして、ここ数年で再会したスピッツは、あの頃のまま、
年を重ねた分、ゆるやかに熟成してまた出会えた。
そして、私は何年も音楽を心して聴くことがなかったのに
若い頃のように、いや、若い頃よりももっと深く音楽の力を
感じるようになった。

スピッツのコンサートに行くと若い子もたくさんいるが、
目立つのは年配のファン層。
きっと若い頃からスピッツが大好きな人達と、
つい最近でもあの頃のヒット曲を思い出してファンになった人と
老若男女、ウエルカムの状態なのだ。

そして、若い男の子が一人できて、リズムに合わせて体をノリノリに
動かしているのも、とても微笑ましい。
きっと、メンバー4人にそれぞれ憧れているのだろう。

娘さんのような人と連れ立ってくる人も目立つ。
家族全員でスピッツファンなのだろうなと思う。

体が不自由で杖をつきながらやってくる人。
見るからに持病を持っているにもかかわらず、曲が始まると
両手をあげて、曲に合わせて体を揺らす人。

音楽は、毎日の行き場のない辛い日常を、その一瞬でも忘れさせてくれる力がある。
草野マサムネが歌う「君」のような恋愛なんて、現実にはとうてい見つけられないかもしれない。
そんな愛情を受けて生きてこれなかった人達の方が、多いかもしれない。

でも、この一瞬が、
得られなかった幸せな人生の全てを吹き飛ばして、
私達を主人公にさせてくれるのだ。

人は、生きる希望をどこに見つけるのだろう。
その答えは、草野マサムネの歌声の中にある。

ありがとう、スピッツ。

そしていつもスピッツのコンサートにいくと
たくさんの人々への感謝に溢れていて、
そうだ、人は一人では生きていけず、たくさんの人々の
力と絆で生きているものだと感じることができる。

傲慢な自分が忘れていた大切なものに、
また気づくことができた。

新曲「紫の夜を越えて」
生で聴くと、草野マサムネのとどまることのない才能を感じる。
きっとこの人は、たくさんのことを犠牲にしても、
多くの人達のために曲を作り続け、歌い続けてくれたのだと思う。

楽しいから、
たぶんのそんなセリフで魂を削るような作業を、
いとも簡単に成しえてきたように語るが、
実際は、そうではないと思う。

眩しいほどの光が交錯する中で、
首筋の線がくっきり浮かびあがるほど、全力で歌い続ける。
天才が天才であり続けるための地道な努力を
感じることができた夜だった。

●余談ですが、過去にファンクラブ先行で取ったにもかかわらず、なんとアリーナの一番後ろかあと憤慨したこともありました。今回は、初日はスタンド(4Fの一番後ろから2列目)、2日めはアリーナと両方を経験できましたが、どこで聴いても草野マサムネの歌声は変わらないことに気づきました。音楽とはそういうものなのです。そのことにも気づけた素敵な2日間でした。ただ、アリーナだとドラムの﨑山さんの凄さがビンビン響いてきて、スピッツは、この4人だからここまできたのかとあらためて感じられました。
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