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始まりも終わりも岡崎体育とともに

“音楽文”が終わりを告げても、これからも音楽と生き続ける。

この投稿サイト“音楽文”との出合いは、昨夏亡くなった姑が生死の境を
彷徨い始めた頃と重なる。2年前、特に夏以降の私は病院からの着信音
が連日鳴り、なんとも落ち着かない状態で。何事にも打ち込みづらく、
自分が自分じゃなくなるようで、心がかさつきかけていた。

そんな毎日だったから、軽めの刺激を求め“現実逃避”するためにSNS
を利用していた。と言っても、昔気質なので私発信のSNSはしたこと
がない。お気に入りの人のを見るの専門だ。それも、ほぼ毎日欠かさず。
あの日の私も、いつものようにネット上を彷徨っていた。
すると岡崎体育ファンの集まるSNSで、或る人の書いた岡崎体育の
“音楽文”が紹介されているのを知る。
「みんなに読んで欲しい。体育さんにも届いて欲しい」と複数人が称賛
していたので、興味をそそられリンク先に飛んだ。そして、後に私の
“心のオアシス”となる“rockin'onの音楽文”に辿り着いたのである。

オススメの岡崎体育に関する“音楽文”を読んで、どこの誰かも分から
ない人の描写の素晴らしさに感銘を受けた。と同時に、私には真似でき
そうもない感受性の高さにちょっとだけ嫉妬した。これでも私、若い頃
は自分の想いや感じ取った事柄を記事にするのを生業としていたから。
お蔭で彼女の音楽文に大いに刺激され、20年ぶりくらいに「自分の好き
な音楽について、好きなだけ原稿を書きたい!」という、闘志が漲った。

で、“初心”に戻り投稿した結果。
初めて採用されたのが、岡崎体育についての音楽文だった。今読み返し
てみると、いかにも手探りで始めたのが丸見えで、かなり恥ずかしい。
それでも多忙な編集部の方に読んで貰え、何かしら伝わったのかと思う
と嬉しくて。
いい気になり、「1ヶ月に1本投稿&採用」という私なりの“目標”を掲
げた。姑の体調に振り回されながらの日々を送る私にとって、結構な
高さのハードルである。しかし、何かと忙しい方が“燃える”し創作
意欲が湧いてくるマゾっ気がまんまと活かされ、ここぞ!とばかりに
熱中した。

いい感情も悪い感情も全部、先ずは好きな音楽のフィルターを通して
考える。この作業が習慣になると、私の暮らしに明るさが戻って来た。
SNSをしないので、反応数をそれ程気にせず好きに書いていたものの。
こんな駄文を評価してくれる人もいると判ると、やっぱり有り難かった。
実生活で凹んでいる時は特に、採用されると自信に繋がり、♡マークの
数字に励まされたものだ。
目標通り採用本数が伸びてくると、何をしてても“音楽文が中心”に時が
過ぎていった気がする。“現実逃避”したい時も、原稿に納得いかず書い
ては消しを繰り返しスランプに陥った時も、音楽文のサイトにふらっと
立ち寄り、力を貰うのが常だった。そして挑戦し続けた末に、この7月
までに25本が採用され、今大急ぎで26本目の採用を目指し、この原稿
を書いている。

******

8月、岡崎体育の新曲『Fight on the Web』がリリースされた。
「インターネット上でのしょうもない喧嘩をテーマにした」(※8/5付公式
Twitterより引用)という今作は、曲というより効果音付きのショート
ショートに近い。岡崎体育が生み出す音楽の特色、そのひとつに所謂
“ネタ曲”がある。今作はまさにコレだ。
先日YouTubeで配信されたMVでは、彼の言う「しょうもない喧嘩」を
ドラマ『電車男』風にひとり二役で演じている。或る音楽を褒めたA
に対しBがケチを付けたのがきっかけとなり、互いが“顔の見えない
相手”に対し“マウント”を取ろうとして罵り合うシーンが続く。いちいち
“的を射る”言葉の応酬合戦は、ゲームバトルのようで面白い。さらに
本人の演じ分けたヴィジュアルとサビのギャップが強く、吹き出さず
にいられない。

でも“ネタ曲”だからって、リスナーを笑わせて終わりなワケじゃない。
ハードめのロックサウンドにのせて、バンドマンが満面の笑みで
楽しそうに唄ってるフレーズ、そこに彼の真意が見える。

<インターネットで喧嘩すんな>
(※岡崎体育『Fight on the Web』より引用)

ネットの世界にはホントも確かにあるけれど、噓偽りの方が多い。
この歌のように匿名をいいことに、心無い言葉や濁った感情をぶつけ
合う者も、悲しいかな一部にはいる。
岡崎体育は岡崎体育なりに、笑いをちりばめ“ネット依存者”にやんわりと
警鐘を鳴らしているのだろう。

******

様々な感情が渦巻くインターネット上の空間で“真実”を感じられるのが、
私にとってはこの場所、“音楽文”だった。
ここに掲載されたどの音楽文にも、ただひたすらに“音楽を純粋に愛する”
想いが溢れている。誰かを批判したり陥れたりすることもなく、ましてや
差別も闇も存在しない聖域。それが私が見た “音楽文”という世界だった。

世代、性別、地域分けはされているものの、それは差別ではなく単なる
区別に過ぎない。音楽が好きな者同士、それぞれのスタイルで自由に言葉
を紡げるのが気に入っていた。毎月その豊かな感性の数々に触れる度に
鼓舞され、また次を目指して私も一筆入魂で原稿に想いを籠める。個人的
には、時間にすればまだ2年に満たない短い期間。それでもこの場所に
辿り着けたことで私は私でいられたし、間違いなく“幸せ”だった。

だから、突然のサイト終了のお報せには大きなショックを受け、あれから
途方に暮れている。
PRINCEの未発表アルバム『WELCOME2AMERICA』とツアー『21 Nite
Stand』の映像の感想・・・挑戦したかったなぁ! iriやハナレグミの
原稿なんて、何ヶ月も前から温めっぱなしだ。他にも書きたい音楽が
沢山あったのに、最後の締め切りは今月だなんて! あまりに驚きすぎて
思考回路が止まって、8月は前に進めなくて困った。
これから私は、日々溢れ出す感情をどこで解き放てばいいのだろう?

いきなり行き場を失ってしまったことは辛いけれど、どんなものにも終わり
はいつかやって来る。そして終わりは新たな旅の始まりでもある。今はそう
信じて、音楽を支えに前に進むとしよう。

最後に。rockin'on社と音楽への情熱を共にしたため合った同志たちに、あり
ったけの愛と感謝を籠めて・・・

ありがとう、さよなら。
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