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チャットモンチーの名曲

チャットモンチー3人の紡いだミラクル

チャットモンチーが解散して、もう3年経った。私の青春時代を共に過ごしてきたバンドだ。この間、スーパーで買い物をしていたら、聞きなれた可愛らしい女性の声で歌う歌が流れてきた。その時は、<ただ届けたいのは ただ届けたいのは>という歌詞だけ聞き取れた。その後、何を届けたいのだろうと気になってしまい、興味本位で調べてみた。

結果、チャットモンチーの「メッセージ」という曲であった。私はなぜかこの曲を知らなかった。『耳鳴り』というアルバムの12曲目に収録されていた。歌詞を追っていくと、恋模様の風景が浮かんでくる。それが片想いなのか両想いなのかは分からない。作詞はベースの福岡晃子さん。

<さっきからうわの空
視線の先に何があるんだろう
どんなに星が きれいだって
あなたには 言えないなあ
気付いてないふりをするのが
上手になってくこの頃です
それとなく それとなくを繰り返して
私 縮められない>

イントロは、エレキギターの切ないアルペジオと、柔らかなアコースティックギターが印象的だ。ひとつひとつの歌詞の言葉たちが自然と心に響く。
ここまでの歌詞は、女性目線で、大好きな男性が他の女性に目移りしてしまっている様子を切なく見ているか、若しくは、彼が何か仕事のことなど別の悩みを抱えていて、女性の事が視野に入っていないのかもしれない。距離を縮められないもどかしさが、橋本絵莉子さんの切ない歌声によってさらにエモーショナルに仕上がっている。

<そばにいてって言えないくらい 好きだった人がいて
好きだよって言えないくらい  愛してる人がいた
あきれるほどの寒さより
レンジで温めたセリフより
ただ届けたいのは ただ届けたいのは>

ここのフレーズは、サビなのか分かりづらいが、思わず何度も聴きたいと感じる。
<言えないくらい>という言葉の表現が、より聴き手に想像力を持たせているし、
「レンジで温めたセリフ」という言葉も熱すぎず、温すぎずといった比喩表現で面白い。
<ただ届けたいのは ただ届けたいのは>という言葉の後にも、聴き手の想像力をかきたたせている。「ただ届けたいのは ただ届けたいのはあなたへの想い」とわざわざ書くよりも、それよりももっと計り知れない物なのかもしれない。言葉では敢えて言い表さないのが、この曲の美しさにもなっているはずだ。

<六角形の結晶が 手の中で溶けていく
吐く息より白い雪の中
あなたの帰りを待っていた
いなくなればいいなんて
本気で思ってしまったの
私の本当のお願いは見事に
叶わないまま>

おそらく雪を<六角形の結晶>と比喩表現しているが、ギターの静かな音と共に、ドラムの5拍子が組み合わさることで、じわりじわりと雪が歪に溶けていく様を聴き手に感じさせているのだろう。
<いなくなればいいなんて 本気で思ってしまったの>という歌詞は、胸が突き刺さるほど切ないが、恋というものの複雑で厄介な感情は、恋をする誰にでも共感できるのではないだろうか。

<そばにいてって言えないくらい 好きだった人がいて
好きだよって言えないくらい  愛してる人がいた
あきれるほどの寒さより
レンジで温めたセリフより
ただ届けたいのは ただ届けたいのは>

曲の終盤で、もう一度このフレーズがやってくるのが、切なさをよりパワーアップさせていて、しんみりと感じる。
そしてこの後、間奏に入る。ここがまた良いのだ。
始めは、落ち着いたドラム、静かなベース、ギターのアルぺジオのフレーズがなんとも言えない。
しばらくすると、ドラム、ベース、ギターの3人は轟音を立てて、「静」から「動」へと言わんばかりの曲調へと仕上げていく。

<いなくなればいいなんて
本気でお願いしていたら
「サヨウナラ」って言いっぱなしで
知らない国へ飛んでいった>

会いたい、でも会うと苦しくなってしまう。だからいなくなればいいと思ってしまう。
最後の歌詞は、<「サヨウナラ」って言いっぱなしで
知らない国へ飛んでいった>
とても辛いことだけど、良い思い出だったのか果たして…。

チャットモンチーは、3人で歌詞を書いている。この3人だからこそ作り上げられたものがきっとある。いつかこの3人で再びステージに立つことを祈っている。何年でも構わない。いつか再結成が来る日を想っている。
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