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サカナクション最後の7秒と7年の月日。

アンコールよりも、カーテンコールを。感謝を込めて。

深夜3時。

昼間にサボったツケを支払うために、Macと向き合う。
ヘッドホンからは、Amazon music unlimitedのなんだかよくわからないプレイリストが流れている。

深夜のテンションもあり、作業は順調。
集中力も高まり、何が流れているかすら脳の奥には入ってこない。

しかし、聞き流せない、意識せざるを得ない曲がかかった。
サカナクション、ミュージック。
 
自分の人生で終わる直前でページを閉じた小説がいくつかある。
決してつまらなくて読むのを辞めたわけではなく、
自分の中で終わらせることができない作品だからだ。

完結しないまま、人生を終えたいと願う作品たち。
サカナクションというバンドもそんな作品、アーティストだった。
 
デビュー早々にあっという間にファンになって、新譜は当然常に発売日に聞いていた。
ミュージックも同様に発売日にCDを買い(当時はまだCD買ってたんだなぁ)、
多くの音楽ファンと同じように、胸の鼓動と足取りを早めながら家に向かう。
 
「ミュージック」

そのタイトルに少なくない引っかかりを覚えていた。
多くのアーティストが同名の曲を作っている。
そして多くのケースで、その曲には他の曲以上の何らかの意味が込められるタイトルだ。
 
曲序盤の静かな展開とリフレインは、
夜の踊り子までの流れを汲み、
まるでサカナクションのこれまでの活動や曲を回想しているようだ。
そしてラスト大サビの開放と爆発。

ああ、ミュージックとはサカナクションのエンドロールなんだな。

なぜかそう感じてしまった。
普通であれば"集大成"という捉え方になるのだろうが、
なぜかそう感じてしまった。

詞がなくなり、la la laと山口一郎そしてメンバーのコーラスが重なると
エンドロールの終わりが近いことを否応なく突きつけられる。
その曲は、ただただ美しく、そして悲しく胸を侵食し締め付けた。
 
終わってしまう。
この曲を最後まで聞いてしまえば、
サカナクションが終わってしまう。

ぼくは急いでミュージックを止めた。
  
あれから7年。サカナクションは変わらずシーンの最前線にいる。
それでも、いまだにミュージックだけは聞き終えることができていなかった。
今日までは。

7年の歳月は人を変えるのに十分なものだ。
人生を共に歩む人が現れ、新たに生まれる命。そして消える命も。
自分の、そして人の終わりということを意識するようになり、
その受け入れ方は大きく変わった。
 
深夜3時、ミュージック最後の7秒。
曲はあえて余韻を持たせず、唐突に終わりを迎えた。
アンコールに答えてくれないプレイリストは、
当たり前のように知らないアーティストの知らない曲を再生する。
  
サカナクションは、いまも音を奏でている。
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