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『カイト』奇跡のコラボレーション

嵐と米津玄師が共有した「彼方へ」

嵐ファンにとってサプライズ尽しだった2019年。だが、年の瀬になっても彼らはその手を緩めなかった。

その驚くべき知らせとは、「米津玄師が嵐へ楽曲提供」というものだった。

……えっ? 夢なの??
私はスマホを待つ手が震えた。
もちろん、喜びと驚きで。

2019年12月31日。
NHK紅白歌合戦で『カイト』は初披露された。
演出も歌詞もがっつり見たいし、しっかり音も聴きたいしで、全神経が大忙しだ。

  風が吹けば 歌が流れる
  口ずさもう 彼方へ向けて
  君の夢よ 叶えと願う 
  溢れ出す ラル ラリ ラ (『カイト』)

風を受けて空高く優雅に漂うカイトを連想させるような、優しい息遣いを感じる歌詞。
中でも、私は「彼方へ」という言葉の登場によってさらなるサプライズを仕掛けられたように感じた。それはある心当たりがあったからなのだ。
  
2020年1月現在、嵐の最新オリジナルアルバムは2017年発表の「untitled」である。
そこに収録されている『彼方へ』という楽曲がある。壮大なサウンドと、力強い歌詞が印象的な曲だ。

この楽曲を発表した後、嵐のメンバー・櫻井翔は「彼方へ」という言葉を意識的に用いるようになる。

例えば、2019年11月にリリースされた嵐初のデジタルシングル『Turning up 』にて、櫻井翔が作詞したRAP詞にはこのように登場する。

  山風(嵐)とほら朝まで
  もうseamless あの“彼方へ” (『Turning up 』)

「彼方へ」同様に、「山風」も「朝まで」も、これまでの嵐の楽曲に頻出したワードである。
その中でも、ダブルクォーテーションマークを付した「“彼方へ”」には特別な想いがうかがえる。朝を超えて途切れることのないはるか先へ。嵐はずっとずっと先の方を見つめている。
これは深読みだろうか。

また、Web会員が閲覧できるブログにて櫻井翔は、やはり「彼方へ」という言葉を使う。そこでも、ダブルクォーテーションマークを付していた。
 
一方、米津玄師はこれまで発表した楽曲の中で「彼方へ」という言葉の使用状況はどうか。

私の調べた限りでは、「彼方」という単語の使用は『MAD HEAD LOVE』や『ホラ吹き猫野郎』にみられるものの、「彼方へ」の形で用いられた楽曲は見つからなかった。

では、『カイト』の歌詞に「彼方へ」を用いたことは偶然だろうか。それとも必然か。いや、そこは問題ではない。
米津玄師が選び抜いた言葉の中に、嵐が大切にしている言葉である「彼方へ」があった。そのことに価値があるのだ。重みがある。美しさがある。
これは、嵐と米津玄師が「彼方へ」という言葉を共有したと考えることはできまいか。
 
さて、2020年というのは、一体どんな年になるのだろう。無論、NHK2020ソング『カイト』という最強のパートナーに早くも出会ったことには間違い無いが。

いち嵐ファンとしてどうしても避けられないのが、活動休止前ラストイヤーということ。

好きな人もいない、好きな音楽もない、これと言った趣味特技もない、嫌いなことさえ何もない。ないない尽くしの小学5年生だった私が、嵐に出会った。それは初めて好きなものに出会った経験だった。
嵐に出会って、
世界が広がった。
心が動く感覚を知った。
エンターテインメントの世界を知った。
J-popの世界を知った。

そうしたら、この世にはもっともっと素敵なものが溢れていると知った。
それから、米津玄師の音楽にも出会えた。これほどまでに美しい音楽が存在するのかと思わずため息が出た。そして、〝嫌い〟というテーマにも向き合えるアーティストがいるのか、と唸った。
気がつけば、イヤホンが手放せない音楽大好きな大学生になっていた。
 
誰も想像できないこれから先のこと。足を前へ進めることは容易ではない。しかし、帰る場所があるという安心感は、いつの世にも存在するものと信じてやまない。

  そして帰ろう その糸の繋がった先まで (『カイト』)

相葉雅紀が「救われる」と言ったこの歌詞のように、帰る場所があるならば、どこへ行ってももう怖くない。

必然も偶然も超えて、2020年とその先、“彼方へ” 。
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