悦に入る、ロックバンドは楽しい。
UNISON SQUARE GARDEN「Bee side Sea side Que side」
2020年1月23日
35
UNISON SQUARE GARDENの15周年の集大成となるカップリングツアー「Bee side Sea side」が終わった直後の12月23日、ツアーの余韻に浸る僕の元にこんな情報が飛び込んできた。
12月27日、下北沢CLUB Queにて、UNISON SQUARE GARDEN「Bee Side Sea Side Que side」開催決定!
正直驚き以外の何者でもなかったし、発表された時は夢かと思った。
下北沢CLUB Queといえば、UNISON SQUARE GARDENが初めてワンマンライブを開催した、まさに「聖地」。
彼らの15周年の締めくくりにそんな場所でワンマンライブをすることは、ライブ4日前という急な発表とはいえ彼らにとっては大切なことだったのだろう。
個人的な話を少しさせて欲しい。12月27日は、僕の誕生日だ。
今まで、自分の誕生日があまり好きになれなかった。クリスマスと一緒にされるし、学校は冬休みだからほとんど誰にも祝って貰えない。好きなアニメのキャラクターと誕生日が一緒だ、ということくらいしか好きになれるところがなかった。
どうしても行きたかった。
そんなライブに、幸運なことに友達が運良くチケットを当ててくれて行けることになった。
小学生の頃から大好きなロックバンドが、自分の誕生日にライブをしてくれる。それだけで心が躍った。さらにバンドの原点とも言われた場所でその姿を収めることが出来ることは、僕にとってとても価値のあることだ。
当日、当ててくれた友達に感謝をしつつ「聖地」に入る。Queのキャパシティは、最大でも250。フロアもステージも、7月に25000人を前にワンマンライブを行ったとは思えない規模。しかし機材は見慣れたものばかり。
不思議な感じだったが、開演時間になるといつものようにSEが流れ、やはりいつものように彼らは登場してきた。
当日のセットリストは、つい先日まで行われていたカップリングツアーから曲順を少し変えたくらい。
それでも、この日を最後に聴けない曲があると思うと、その悲しさと、もちろんもう1回聞けたという嬉しさでぐちゃぐちゃになりながら聞いていた。
MCでは、「15周年の締めくくり、思いっきり油断しまくってきたんであまり近くで見ないんで欲しいんですけど。」と話した斎藤。
よく見ると、ライブ中いつもしている、イヤモニをしていない。
あるインタビューで「イヤモニをしていると、演奏と自分の歌声で一人ぼっち感がどうしても出てしまう」と話していたのを思い出した。
そして「このClub Queは、UNISON SQUARE GARDENを語る上でなくてはならない存在です。実際今日めっちゃ楽しくて、数年後もきっと今日の事を思い出すと思います。それくらい楽しかったです。」と続ける。
この場所を共有しよう、これまでここでやっていた時と同じように。
この日心がけるのはあくまで自然体なんだ、と感じて少し嬉しかった。
今回のライブで印象的だった部分がある。
ライブも終盤、突如演奏されたのはツアーでは演奏されていないシングル曲、「Catch up, latency」。この曲は駅伝をテーマにしたアニメ「風が強く吹いている」のOPテーマとなっており、かつて陸上部で、小学校の頃に原作小説を読んで読書感想文も書いた僕は、この曲には取り分け思い入れがあった。
この曲がまさかこの日に聞けるなんて。とても嬉しかったし、運命的なものを勝手に感じてしまった。
その後は「シュガーソングとビターステップ」、「プログラムcontinued (15th style)」、そして新曲「Phantom Joke」とシングル、アルバム曲を立て続けに演奏。僕は上手側で見ていたが、この時ベースの田淵はお客さんと一緒に歌詞を口ずさんだり、いつものように全身で、誰よりも音楽を楽しんでいた。
2020年は斎藤が新たな挑戦をする。
新しいバンド、XIIXでの楽曲制作によって、自身の音楽観をいよいよ本格的に世間へと表現していく。
田淵も別バンド、THE KEBABSの活動を、これまで以上に行うことが既に発表されている。
にわかにバンドの両立に関する様々な意見が上がっている中で、僕は各々の活動で得たものを昇華し、さらに洗練されたロックバンドになってほしいし、彼らの音楽、田淵の言葉を借りるならば、ロックバンドへの「執念」を信じてみようと思う。
「プログラムcontinued」には、こんな歌詞がある。
「一瞬も飽きちゃいないからさ 人生を譲る気がないんだ」
そしてこの日最後に披露された「Phantom Joke」にはこうある。
「だけど忘れないで欲しい まだまだ旅は終わらない 納得するまで終わらない」
UNISON SQUARE GARDENが進む道はずっと変わらない。いい音楽を作って、ライブをする。そんな旅は3人で音を鳴らす限りどこまでも続く。
それだけなんだろう。むしろ僕はそれだけで十分幸せだし、そう思う人はきっとたくさんいると思う。
ロックバンドは楽しい。UNISON SQUARE GARDENが何気ない歌で、僕の何気ない記念日をお祝いしてくれたこの日は、僕に彼等をまだずっと愛していたいと思えた、そんな素敵な1日だった。
12月27日、下北沢CLUB Queにて、UNISON SQUARE GARDEN「Bee Side Sea Side Que side」開催決定!
正直驚き以外の何者でもなかったし、発表された時は夢かと思った。
下北沢CLUB Queといえば、UNISON SQUARE GARDENが初めてワンマンライブを開催した、まさに「聖地」。
彼らの15周年の締めくくりにそんな場所でワンマンライブをすることは、ライブ4日前という急な発表とはいえ彼らにとっては大切なことだったのだろう。
個人的な話を少しさせて欲しい。12月27日は、僕の誕生日だ。
今まで、自分の誕生日があまり好きになれなかった。クリスマスと一緒にされるし、学校は冬休みだからほとんど誰にも祝って貰えない。好きなアニメのキャラクターと誕生日が一緒だ、ということくらいしか好きになれるところがなかった。
どうしても行きたかった。
そんなライブに、幸運なことに友達が運良くチケットを当ててくれて行けることになった。
小学生の頃から大好きなロックバンドが、自分の誕生日にライブをしてくれる。それだけで心が躍った。さらにバンドの原点とも言われた場所でその姿を収めることが出来ることは、僕にとってとても価値のあることだ。
当日、当ててくれた友達に感謝をしつつ「聖地」に入る。Queのキャパシティは、最大でも250。フロアもステージも、7月に25000人を前にワンマンライブを行ったとは思えない規模。しかし機材は見慣れたものばかり。
不思議な感じだったが、開演時間になるといつものようにSEが流れ、やはりいつものように彼らは登場してきた。
当日のセットリストは、つい先日まで行われていたカップリングツアーから曲順を少し変えたくらい。
それでも、この日を最後に聴けない曲があると思うと、その悲しさと、もちろんもう1回聞けたという嬉しさでぐちゃぐちゃになりながら聞いていた。
MCでは、「15周年の締めくくり、思いっきり油断しまくってきたんであまり近くで見ないんで欲しいんですけど。」と話した斎藤。
よく見ると、ライブ中いつもしている、イヤモニをしていない。
あるインタビューで「イヤモニをしていると、演奏と自分の歌声で一人ぼっち感がどうしても出てしまう」と話していたのを思い出した。
そして「このClub Queは、UNISON SQUARE GARDENを語る上でなくてはならない存在です。実際今日めっちゃ楽しくて、数年後もきっと今日の事を思い出すと思います。それくらい楽しかったです。」と続ける。
この場所を共有しよう、これまでここでやっていた時と同じように。
この日心がけるのはあくまで自然体なんだ、と感じて少し嬉しかった。
今回のライブで印象的だった部分がある。
ライブも終盤、突如演奏されたのはツアーでは演奏されていないシングル曲、「Catch up, latency」。この曲は駅伝をテーマにしたアニメ「風が強く吹いている」のOPテーマとなっており、かつて陸上部で、小学校の頃に原作小説を読んで読書感想文も書いた僕は、この曲には取り分け思い入れがあった。
この曲がまさかこの日に聞けるなんて。とても嬉しかったし、運命的なものを勝手に感じてしまった。
その後は「シュガーソングとビターステップ」、「プログラムcontinued (15th style)」、そして新曲「Phantom Joke」とシングル、アルバム曲を立て続けに演奏。僕は上手側で見ていたが、この時ベースの田淵はお客さんと一緒に歌詞を口ずさんだり、いつものように全身で、誰よりも音楽を楽しんでいた。
2020年は斎藤が新たな挑戦をする。
新しいバンド、XIIXでの楽曲制作によって、自身の音楽観をいよいよ本格的に世間へと表現していく。
田淵も別バンド、THE KEBABSの活動を、これまで以上に行うことが既に発表されている。
にわかにバンドの両立に関する様々な意見が上がっている中で、僕は各々の活動で得たものを昇華し、さらに洗練されたロックバンドになってほしいし、彼らの音楽、田淵の言葉を借りるならば、ロックバンドへの「執念」を信じてみようと思う。
「プログラムcontinued」には、こんな歌詞がある。
「一瞬も飽きちゃいないからさ 人生を譲る気がないんだ」
そしてこの日最後に披露された「Phantom Joke」にはこうある。
「だけど忘れないで欲しい まだまだ旅は終わらない 納得するまで終わらない」
UNISON SQUARE GARDENが進む道はずっと変わらない。いい音楽を作って、ライブをする。そんな旅は3人で音を鳴らす限りどこまでも続く。
それだけなんだろう。むしろ僕はそれだけで十分幸せだし、そう思う人はきっとたくさんいると思う。
ロックバンドは楽しい。UNISON SQUARE GARDENが何気ない歌で、僕の何気ない記念日をお祝いしてくれたこの日は、僕に彼等をまだずっと愛していたいと思えた、そんな素敵な1日だった。
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