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そこに伝説があった

NUMBER GIRL「逆噴射バンド」ライブレポート

2020年2月11日のZepp Nagoya。そこで僕は生まれて初めてNUMBER GIRLを見た。

日本のバンドシーンの中で重要な立ち位置にいる…という認識は持っていたものの、自分はNUMBER GIRLをそこまで頻繁に聴いていたわけではない。「透明少女」は好きで、星野源が弾き語りでカバーしていたのをコピーしたことがある程度。とっくの昔に解散していたし、メンバーそれぞれも別々のバンドで活躍していたこともあって、その凄さは理解していたものの、何となく遠い存在になっていた。

そんな彼らが昨年、電撃復活した。しかもそのツアーの先行抽選にダメもとで応募したところ、まさかの当選。伝説上の存在であったNUMBER GIRLが、一気に自分の手の届くところまで来たのである。なんとなく実感がないまま時は過ぎ、ライブが数日後に迫って来たところで、テストの詰め込みの如く慌てて当時の音源やライブ映像で予習をしたのである。

そしてライブ当日。
感想を一言でいうと「そのまんま」だった。

ステージ上で爆音を鳴らす4人の姿は、YouTubeで見た過去のライブ映像と何も変わっていなかった。10数年のブランクがあったことを微塵も感じさせないどころか、むしろ「今までずっとこのバンドは続いていたんじゃないか?」と錯覚してしまうほどの安定感。向井秀徳のシャウトまじりのボーカルも、田渕ひさ子の金属音のようなギターも、解散前から時が止まっているかのような熱量があった。

「熱」をそのままぶつけてくるような、最初から最後まで全くスキのないライブ。狂気と緊張感が混ざり合う演奏に、暴れてもいないのに呼吸を乱される。その一方で随所に差し込まれる向井秀徳の語りには笑っていいんだか悪いんだか、真面目なのか適当なのか、不思議な味わいがあった。
つくづくよくわからないバンド、だがその「わからなさ」に自分でも異常に感じるほど引き込まれた。あの会場の雰囲気は、彼ら以外では再現不可能だと思う。

印象的な場面がある。ステージの照明が最小限になり、4人の巨大なシルエットがバックに映る演出。特段珍しい演出ではないが、彼らの存在の大きさをあの一瞬で痛感した。NUMBER GIRLが「伝説のバンド」と呼ばれる所以が改めて分かった気がした。

終演後、一緒にライブを見た先輩と打上げ。小さな居酒屋だったが、最高な気分で飲む酒は最高に美味い。そのあと現金が足りなくて僕がクレジットで一括で支払ったことをここにメモとして記します。今年の5月に控える、NUMBER GIRLとZAZEN BOYSの対バンの時に返してくださいね。まだチケット当ってないですけど…。

自分の人生の中で「NUMBER GIRLを生で見る」経験ができるなんて、数年前であれば夢にも思わなかっただろう。音楽が、バンドが好きでよかったなと心から感じた、そんな夜だった。
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