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変わったものもあるけれど、変わらないものもある。

3階席から最前列へ~星野源さん10周年によせて

開演前、パシフィコ横浜の3階席に向かうと、
本を読みながら
スマホをいじりながら
寝ながら
それぞれの時間を「一人」で過ごす静かな波が広がっていた。私も波に加わる。

静かだ。

誰一人喋らない。
皆、その時を静かに待っている。
周りは恐らく、一般発売の狭き門を潜り集まった同志だ。

彼の名前や曲は以前から知っていたけれど、ドラマで知名度が上がり、今回のライブ「YELLOW PACIFIC」はとんでもないプラチナチケットだったらしい。
先行を逃して一般発売日に取れたのは幸運としか言いようがなかった。
 
客電が落ち静寂に闇が加わった。
始まりの時を告げる。

演出を経て、舞台に彼が走り出してきた。
瞬間、静寂は爆発する拍手と歓声と熱気に変わり、さっきまで静かに読書をしていた隣の席のお姉さんが、ビックリするほど号泣しながら、笑顔で思いっきり手を振っていた。

皆で歌い、躍り、笑う。
妖艶な魅力を纏ったスーツ姿で舞台に立つ彼は、「一人」の個体の集まりだったフロアを、残らず彼の波に巻き込み大きな集合体に誘う。

気になる存在だった「星野源」が、私の人生にかけがえのないものになった夜だった。
 
その後行ったライブでも、彼が出てきた瞬間に隣の席のお姉さんが号泣する、と言うことが3回連続あって(4回目は残念ながら隣は男性だった)、音楽だけじゃなく、存在すら魅力的な彼の虜になっていった。
 
先日行われたコロナ禍の配信ライブは、
本を読みながら
スマホをいじりながら
寝ながら
それぞれ開演前を一人で過ごす波が広がっていただろう。

あの時と一緒だ。
あの、3階席と。

違うのは、隣にお姉さんがいないのと、Twitter上で同志がそれぞれの場所から想いを呟いていたこと。
そして、誰もが最前列であること。
更には、チケットが手に入らない人がいないことだ。

皆で歌い、躍り、笑う。
それは、離れていても見えなくても変わらない。
初めて見た時、華奢な少年のようだった彼は、役作りで作り込んだ身体に飾らない衣装と妖艶な魅力を纏い、画面越しに彼の波に巻き込み、大きな集合体に誘う。
私達は「一人」だけど、「ひとつ」になるのではなく彼のもとに集うのだ。

変わったものもあるけれど
変わらないものもある。
彼の根底にあるもの、
目指すもの、
画面越しでも「あなた」と個々に語りかけてくれる想い。
 
今年は星野源名義のソロデビュー10周年。
今の世の中じゃなかったら、もっと沢山の出来事があったかもしれない。
でも、思い通りにいかないのが常だ。
起きたことは変えられない。
軌道修正しつつ、今の世だから出来ることを、自分の想いを伝え続けていく。
改めて、彼の今までもこれからも、彼の見ていく景色を応援していきたいと思った。
予想を遥かに越える素敵な時間をくれる彼に。
私達を取り零さず連れていってくれる彼に。
おめでとうの想いと心からの感謝、絶対いつかまた笑顔で会いましょう、と言いたい。

源さん、あなたに出逢えて良かった。

ありがと。
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