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THE BACK HORNの配信ライブに感じた「余白」と「約束」

無観客配信ライブ「KYO-MEI MOVIE TOUR SPECIAL」-2020-(スタジオ編)

配信ライブとは、一体なんだろう。ふと考える。
未だライブの開催は難しく、無観客ライブの配信が増えている。
きっと、バンドやアーティストは様々な思いを乗せて、画面の向こうで音を出していると思う。
そして、観ている方もまた、様々な思いを胸に、画面越しに鳴る音を聴いているのだと思う。

8月2日、THE BACK HORN「KYO-MEI MOVIE TOUR SPECIAL」-2020-(スタジオ編)と銘打った無観客配信ワンマンライブを観た。
ライブの具体的な内容、例えばセットリストやMCにはあえて触れないでおこうと思う。
ただ、THE BACK HORNのスタジオライブ配信を観て感じたことを、どうしても書き残しておきたいと思った。

この配信は、「スタジオ編」とあるように、ライブハウスではなく、音楽スタジオからのライブ配信だった。
いつものライブのように、奥一人・手前三人のフォーメーションではなく、一定の距離を取りつつ、四人が向かい合い、スタジオという空間に円を描いていた。

山田将司、菅波栄純、岡峰光舟、松田晋二が同じ空間に集い、マイクを持ち、ギターを、ベースを、ドラムスティックを手にしている。そしてひとたび音が鳴れば、たちまちTHE BACK HORNになる。
アップで映し出される四人それぞれの表情を見て、私たち以上に様々な、あるいは私たちには想像もできないような思いを抱えて、音を、声を出しているのだろうと思った。
そして、その様々な思いの中のうち、一つか二つはきっと、今このライブ配信を観ている私たち全員も共有できる思いなのではないか、そんな気がした。

最新曲を含め、全12曲のスタジオライブはあっという間に過ぎていった。
2020年、初めてのライブ。無観客の配信ライブ。
スタジオという、普段ライブをすることのない環境で、最高を見せてくれたと思った。
ただ、それはあくまで「スタジオライブ配信」としての最高であり、誤解を恐れずに言えば、「ライブハウスでTHE BACK HORNのライブが観たい」という、さらなる欲を持つことを許してくれる余白を感じたライブだった。

100%を出しきったであろうライブに感じた余白。
それは決して、配信は物足りないとか、無観客は物足りないとか、マイナスな余白でないことは断言しておきたい。
これは私の勝手な印象だが、四人の姿からは「ライブハウスで、お客さんの前でライブをやりたい」という思いを強く感じた。
私が感じた余白は、今この状況をぐっとこらえているメンバーとファンの、「次はもう少し先の場所で会おう」という約束に思えた。

そして、THE BACK HORNは「もう少し先の場所」をちゃんと用意してくれていた。
ボーカル・山田将司の口から、無観客配信ライブ第2弾「KYO-MEI MOVIE TOUR SPECIAL」-2020-(ライブハウス編)が、9月6日に開催されると発表があった。

スタジオライブにはスタジオライブの最高があり、無観客ライブには無観客ライブの最高がある。そして、観客のいるライブハウスには、そこにしかない・これ以上ない最高があると思っている。

THE BACK HORNの配信ライブを観て思う。
彼らは絶対、それぞれの場所での最高を見せてくれる。だけどそれは、これ以上ない最高の場所に帰るためのものだった。
そんなの他のバンドだってそうだよ、と言われるかもしれない。
それでも、「ライブハウスに帰りたい」と思える配信ライブをTHE BACK HORNが見せてくれたことが、とても嬉しかった。

明日も来月も来年も、好きな音が鳴っているために何ができるだろう。
そんなことを考えながら、また再生ボタンを押している。

THE BACK HORNの四人に、ありったけの感謝を込めて。
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