4041 件掲載中 月間賞毎月10日発表
この数字はTwitterやFacebookでのリツイート・いいねなどの反応数を合算して算出しています。

Nothing's Carved In Stoneの曲の力

〜Diachronicに出会って〜

とにかく楽曲を好きになった。
だから初めてライヴに行った時も、私はバンドメンバーの名前すら知らなかった。 

彼らの曲を好きになったのは某アニメのオープニングを聴いてからだった。
それも去年の話だったので、発売からはずいぶん経っているし、既に結成して10年が経っていた。
最近ではネットですぐに曲を聴けるので、新しく好きになったこのバンドがどんな曲を作っているのか、いくつか聴いてみた。
「すごく良い…」
素直に好きなタイプの曲たちだった。
Webで数曲買ってヘビロテした。
それから運良くベスト盤が出ていたので直ぐ購入した。
「やっぱり好き…」
最初に好きになった曲以外にも沢山ハマる曲があって、久々に新しいものを開拓した満足感でいっぱいだった。

英語の歌詞を歌っている場合、学のない私は曲から好きになる。
海外旅行が趣味なので英語の勉強はしていたけれど、即座に意味を理解出来る程ではないので、歌詞カードを見て「うんうん」と頷く感じだ。

でもナッシングスの場合は私にとってはちょっと違った。
耳に入ってくるボーカルの声を、拙い単語知識で直訳する。
間違っているかもしれないけど、彼らの歌を聴く時にはなぜかそれが私には大切な要素だった。
そうさせるのは、元々の「曲」が良いからで、じっと目を閉じて、その空間に浸って旅するのがとても心地良かったのだ。
10年の活動で発表された曲は一気に聴くには時間を要する。私はファンの皆の評価なども見ながら少しずつ聴いていった。
 
そして「Diachronic」に出会った。
 
曲調が好きだった。
前奏のギターのループに一気にトリップした。引きずり込まれた。
聞き取れたサビ前の歌詞。
'Wanna see you so'
その言葉からのサビ。
美しくて優しい曲調とは裏腹に、『誰かへの切望』に溢れた歌詞。
全部の意味が分からない曲で泣いたのなんて初めてだった。

それから『PARALLEL LIVES』を買って、ちゃんと対訳を見た。
もちろん意訳されているけれど、それに捕われない世界と力をこの曲は持っている。
思えば、最初に聴いた某アニメの曲も、直訳を頭に浮かべて好きになったんだと気づいた。
「それってアーティスト(作る側)が意図してない意味じゃん」
と言われてしまえばそれまでなのだが、私の中では、その一曲の持つ物語が、聴く人の心にその人だけの物語として広がったことがすごいと思うのだ。

追憶の中の大切なものを今に繋げたくて、繋ぎとめたくて、そっと語りかけているこの曲。
時間が経っても、在って欲しい大切なものを歌ったこの曲が、ファーストアルバムのものだなんてすごい。ファーストアルバムで過去の自分に手をのばしているなんて。
そして彼らがこれを作った10年も後で、その彼らの過去に手を伸ばして受け取っている私。
本当にいい曲は過去にも未来にも生きている。
彼らの音楽はすごい。

残念ながらセルフカバーアルバム"Futures"では Diachronicは歌われていなかったが、このアルバムの中にもたくさんの好きな曲が詰め込まれている。
「あの頃」と「これから」と。
彼らの楽曲でトリップする幸せな時間が、まだまだ続く。

バンドメンバーの名前を知らないまま観に行ったライヴは”By Your Side Tour 2019-20”のZepp Tokyo公演だった。
ただただ曲を聴きたくて、歌を聴きたくて、遠い田舎から衝動的に行った。
でも、とにかく楽曲を愛してくれるなんてことは、アーティストにとっては一番嬉しいことでもあるのかなと思う。
 
Nothing's Carved In Stoneに出会えてよかった。
  • 投稿作品の情報を、当該著作者の同意なくして転載する行為は著作権侵害にあたります。著作権侵害は犯罪です。
  • 利用規約を必ずご確認ください。
  • ハートの数字はTwitterやFacebookでのリツイート・いいねなどの反応数を合算して算出しています。
音楽について書きたい、読みたい