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角を曲がった先に見えるもの

欅坂46と出会って

先日、欅坂46のベストアルバム『永遠より長い一瞬 ~あの頃、確かに存在した私たち~』を手にした。

発売からこんなに遅れて購入したのは、受験勉強で忙しいからでもあり、メンバーの卒業、脱退や改名(欅坂46は2020年10月、櫻坂46に改名した)について自分の中で整理がついていなかったからかもしれない。


アルバムに入っている曲は大体知っているけれど、聴き返していて、どうしても心から離れない曲があった。

『サイレントマジョリティー』と『角を曲がる』

デビュー曲である『サイレントマジョリティー』を知ったのは2年前、高校1年生のとき。リアルタイムで聞いていたわけではないのだが、その強いメッセージと眼差しが、当時の社会に大きな衝撃を与えたことは想像に難くない。同時に、

“君は君らしく生きて行く自由があるんだ”(『サイレントマジョリティー』)

という歌詞に、多くの人が背中を押されたことだろう。
僕もその中の一人だ。入ったばかりの高校生活に不安を抱え、居場所を見失いかけていた自分にとって、これほど心強い励ましの言葉はなかった。

それ以来、困難にぶつかったり自信をなくしたりするたびに、僕はイヤホンをはめて、聞き慣れたイントロを待った。そしてまた何とか持ち直して、自分なりに頑張ろうと決めた。「君らしく」の意味も知らないまま。


いろんなことがあった。振り返ってみていい高校生活だったとはとても言えないけれど、大抵の時間、欅坂46の楽曲に支えられてきた。ちょっと大げさに聞こえるかもしれないが、欅坂46は僕の青春だった、とも言える。

でも、いつまでもまっすぐな道はないのだと思う。いずれ先の方に影が見えてきて、そこが曲がり角だと気づく。

周りに流されないよう必死に踏ん張って、耳を塞いで、でも気づいたら、自分の他には誰もいなくなっていた。かといって妥協するでもないし、どうすればいいかわからないから、ただ惰性で行きたくもない学校に向かう。

そもそも、「自分らしさ」なんて確かなものを、人は持っているのだろうか。勝手に作り上げた妄想に振り回されて、生きづらくなっているだけじゃないのか。だったら周りに合わせて笑って泣いて、柔軟に生きていた方が良かったんじゃないか。

そんな時だからなおさら、『角を曲がる』の中の短いフレーズが、心に刺さった。

“らしさって 一体何?”(『角を曲がる』)

周りに向けていた視線は、いつしか自分に返ってくる。どちらが間違っているかなんてわからないけど、何かが違う。そんな不安や迷いを抱え込んだまま、歩いていく―そんな曲に聞こえる。


信じていたものに裏切られるほど、怖いことはない。でも、ずっと立ち止まっているわけにはいかない。

だから、角を曲がる前に、振り返ってみる。

彼女/彼は敗北したのだろうか?

僕は「自分」を失ったのだろうか?


わからない。わからないから、曲がってみるしかない。

その先に何が見えるか、僕はまだ知らない。
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