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sumikaという居場所

Chimeを鳴らしてFamiliaな場所sumikaへ帰る

sumikaというバンドから感じるのは、その名前にも繋がるような“居場所”という安らぎのある聞き応えだ。

彼らとの出会いは、武蔵小杉にあるCDショップだった。『Vital Apartment.』が発売されたばかりで店内でかかっていた。耳に飛び込んできたのは「グライダースライダー」。ギターの気持ちよさと、綺麗でいて太く力強いボーカル、軽やかなポップさに聞き入ってしまった。そのまま引き寄せられるように展開場所へ。川崎市出身の彼らを推していた展開は、それはそれは愛情溢れたもので、メンバーも来店されているようです。試聴機から流れてきたメロディは、どれもが耳に残る、一度聴いただけで口ずさみたくなるような、印象的な曲ばかりだった。流れでその前作『I co Y』も聴くと、もう私の耳を掴んで放す事はなくそのままレジへ。

その後も発売される作品はどれもがキャッチーで、かつ新しい作品が出る度に面白い程多彩な才能を示してくれた。それは、メジャー感溢れより多くの人に刺さる要素を含んでいた。そして満を持して発売された
『Familia』は、彼らのその時点での集大成であり、メジャーに殴り込む宣戦布告の招待状のようでもあった。

インディーズからメジャーに行った彼らは変わりながら変わらなかった。らしさを残しつつも、新しい引き出しを増やし続ける事で、新作が楽しみで堪らなくなる、それはある意味最初に出会ってから変わる事がない。

そして、彼らの魅力を最大限に発揮出来るのがライブである。始めに書いた“居場所”というのは、そこにあるあのアットホーム感だ。その会場にあるのは楽しさと高揚感に包まれ、初めて行った私にも言い知れない居心地の良さを与えてくれた。sumikaの曲を通して、その場に居る人が暖かさを感じながら居場所を共有する場。
とあるライブで、私は運良くチケ番が良く、最前列に位置出来た。ある曲でボーカルの片岡さんが私の前に近づきハイタッチをしてくれたのは忘れられない思い出だ。

そんな彼らは、今や多くのタイアップが付き、着々と知名度を上げてきている。初めて会ったあの頃とは比べられないくらいの人気を集めている。曲の幅をより広げながらも、メロディの気持ち良さを上げていく技術も磨かれて、これからの可能性が計り知れないと、楽しみでたまらないのです。

で、改めて、sumikaの曲の魅力って何なのかというと、アッパーもバラードもロックもポップも“らしさ”を付ける事にあると思うのです。聴き馴染みが良く、何気なく聴けてしまうけれど、そこにはsumikaらしさがあって、どのニュアンスの曲であってもらしさは変わらない。

そして昨今のコロナ下において発表されたのが『Dress farm 2020』。活動初期に行っていた定価を持たない自由価格で行われたDress farmの進化版ともいえる。リモートレコーディングにより、メンバー個々四人により作られた新曲四曲。また未発表ライブ映像の公開四曲を合わせて、計八曲が誰もが楽しめる形で届けられた。物事の“価値”とは形のないもので、自由なもの、このスタンスはsumikaのバンドの在り方そのものとも言えるかもしれない。
しかし、これはCD化はされる事なく、まさに無形の遺産になるかのように思われた。だが、今回新曲『本音 / Late Show』のリリースに伴い、初回生産限定盤特典CDとしてその音源が盤となる事が決まった。なんてたってメインDiscよりも新曲の数が多いという異例な形にはなった。単体で出してもまったく良いボリュームであるにも関わらず、あくまでも特典CDとした事に、sumikaらしさをまた感じた。
『本音 / Late Show』を聴く事が楽しみなのが勿論ではあるが、『Dress farm 2020』が手に取って、手元に取って置ける形になってくれるのが何とも嬉しい。

前作アルバム『Chime』以降に発売された「イコール」「Traveling」「願い」「ハイヤーグラウンド」「センス・オブ・ワンダー」「絶叫セレナーデ」「唯風と太陽」そして「本音」「Late Show」とあまりにもハイペースでリリースされてきた。次のアルバムが楽しみだし、ライブのアットホームな空間に作られたい。
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