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あなたの胸のうちで踊ろう

2020年の最後の日に星野源が歌ってくれたこと

星野源を知っている人も知らない人も、曲が流れれば
「ああ、あの曲!」
と分かる程、日本中を巻き込み社会現象になってしまった「うちで踊ろう」。
そこに新たに二番の歌詞を加えたものが2020年の紅白歌合戦で発表されると発表された。


2020年は本当に大変な年だった。

未知のウイルスの蔓延により、自由ではなくなってしまった私達の生活。
仕事を失った人や学校に行くことができなくなってしまった学生達。
医療のひっ迫や崩壊。
音楽や演劇などの公演の延期や中止。
閉塞感や疲弊感や絶望感。
ストレスで起きる争いや暴言、疑心暗鬼。
そんな中でいろんな想いを日本中、いや世界中の人たちがそれぞれ胸のうちに秘め生きてきた。もちろん私も、そのうちの一人だ。


そんな2020年最後の日の夜に「うちで踊ろう(大晦日)」が披露された。


【常に嘲り合うよな 僕ら "それが人"でも うんざりださよなら】

コロナ禍において正直者が馬鹿を見たり、一生懸命やっている者への嘲りは沢山あった。
ネットやSNS上でも見えない誰かが批判や批評を繰り返す。
実際、星野源自身もこの「うちで踊ろう」を発表した当初、沢山の称賛を浴びたが、その反面沢山の嘲笑や雑言も浴びせられたし、親しくしていた人からも心無い言葉をかけられた。
真面目に、純粋に、ものを産み出す者への嘲笑など、何が楽しいのか。

この歌詞はそんな嘲りへのアンチテーゼのように感じた。


【飯を作り】【風呂を磨き】【昼食を済ませ】
日々を生きる。淡々と過ごす毎日。
どんな最悪な日でも日々は繰り返しやってくる。。


そんな中で
【愛が足りない こんな馬鹿な世界になっても まだ動く まだ生きている】

押し殺していた感情が息を吹き返す。
こんな世の中を憂うばかりではいけない。
面白いことをしよう、楽しいことをしよう。
星野源は苦しいことや辛いことがあると、いつもこう考えるという。
私も動くことができる。私も考えることができる。
面白い事を。楽しいことを。



そして一番星野源らしいと思った歌詞。

【僕らずっと独りだと 諦め進もう】

10年前に発表された「ばらばら」の歌詞〈世界は ひとつじゃない〉〈ぼくらは ひとつになれない〉〈重なりあっているだけ〉を思い出すこの歌詞。
いつも思うのは星野源の音楽は寄り添ってくれる優しさのある音楽であると共に、底に沈んでいる自分をぐっと引き上げてくれるような力強さがある。
それは「頑張れ」とか「共に戦っていきましょう」とかそんな直接的な表現ではない。
みんなで力を合わせて頑張ろう!という綺麗事だけでは解決しない世の中になった今、「諦める」と潔く言える凄さと言い切る強さだ。


【全ての歌で 手を繋ごう】
【生きて抱き合おう いつかそれぞれの愛を 重ねられるように】

そう歌いながら映像の中で左手を差し出しぎゅっと握ったその手は間違いなく私の手を握って、この世の中の様々な想いの中に沈んでいた私を引き上げてくれた。
生きねば。
生き抜いて私はこの世界をまだまだ楽しみたい。
美味しいものも食べたい、旅だってしたい、ライブにも行きたい。
なによりみんなと笑い合いたいのだ。
人と人はひとつにはなれないが重なり合うことはできる。
そして人は、世の中は【変わる】ことができると信じている。

まだまだこれからも簡単に変われるような世の中にはならないかもしれない。
しかし2020年最後の日に発表されたこの曲は、2021年のこれからに小さな光をもたらしたのは間違いない事実だ。
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