4729 件掲載中
この数字はTwitterやFacebookでのリツイート・いいねなどの反応数を合算して算出しています。

逃げるのは恥じゃない

BUMP OF CHICKENと友の言葉をお守りに

「後でどんなに笑われたり怒られたりしてもいい、ご自分を守って全力で逃げて下さい」

わたしのお守りとなっている言葉だ。


昨年友から届いた、気遣いと思いやりのこもった贈り物に添えられた手紙に書かれていた。




人と接する仕事に就いていることを知ってくれている友が、何があろうと全力で自分の命を守れ、いつかまた笑顔で会うために、と言ってくれていた。
わたしはその手紙を読んで涙が止まらなかった。これを書くため読み直している今もまた涙が出てくる。


どんなに責められようと自分の命を守ることを優先していい。そう思えた。



BUMP OF CHICKENの楽曲に’望遠のマーチ’がある。
前回のツアー’BUMP OF CHICKEN TOUR 2019 aurora ark’では、固定セトリとして演奏された。

”与えられた居場所が 苦しかったら
 そんなの疑ったって かまわないんだ”ー望遠のマーチー




ツアー開始のおよそ1年前にデジタルシングルとしてリリースされた曲で、アルバム’aurora arc'にも収録されている。何回聴いたかわからないくらい繰り返し聴いていたのにも関わらず、ツアー初日、このフレーズを生で聴いて、突然迫ってきた想いに胸が絞めつけられ、涙が溢れ、どうにも止められなくなった。胸の奥そっと閉じていた扉の鍵をかちりと外されたような、そんな瞬間だった。

創り始めた頃はもっとゆっくりしたテンポの曲だったらしいのだが、リズムを倍速にして録ったというようなことを藤くん(BUMP OF CHICKENのボーカル・ギターであり楽曲の殆どを創っている藤原基央さん)が雑誌のインタビューで語っていたことがある。
曲調はアップテンポの爽快なポップミュージックで、ライヴではオーディエンスみんなで力強く声を合わせる部分もある。
なのに、ツアー’aurora ark’からこの曲はわたしにとって「泣く」曲になった。イントロが始まった途端スイッチが入ってしまうのだった。




「逃げてきた」という想いにずっと囚われていた。

夫の生き方に共感できなくなっていた。もう一緒に居ることが苦しくつらかった。そしてそういう自分がしんどくて仕方がなかった。
一人で暮らすことを選んだ。


家を出る前から働いていた前職を、一人での生活を選んだ三年後に体調不良で辞めた。
体のこともあったけれど、仕事の内容も自分には合わないという葛藤の中働いていたのが、もう限界だった。


ツアーでこの曲を聴いた時、歌詞のこの部分で、過去のお前の選択はそれはそれで良かったんだ、苦しかったら逃げてもいいんだ、そう言ってもらえた気がした。

どうしてももう無理だとなったら、その時は離れてもいい。
今居る場所が苦しくて仕方がないのなら、その時どうするかを決めるのは自分だ。




昨年以来、勤務日のカットや時短、人員の削減などで、次から次へと担当外の新しい仕事が振り当てられるようになった。正直しんどい。でもやらなければ。
「無理です、出来ません」と言って拒否すれば、結局その仕事は誰か他の人へ回される。自分以外の誰かの負担が増えることになる。
自分が嫌だと言うことで他の誰かがしんどい思いをするようなことは、わたしには出来なかった。

何度もそういう事態になったけれど、そのたびに、友の手紙にあった言葉が支えになった。


無理なことは無理、出来ないことは出来ない、そう言っていい。
逃げることは恥じゃない。
自分を守ること、自分を大切にすること、それが第一であっていい。
友の言葉とBUMP OF CHICKENの届けてくれる唄が、わたしにそう言ってくれている。

自分を守るためには逃げてもいいんだ、という想いを胸に抱いていれば、のしかかる荷物が軽くなるような気がする。
ダメなら投げ出したってかまわない。
でも、今は投げ出さない。
今はやってみる。


2月11日、BUMP OF CHICKENの結成25周年を迎えた午前0時。新曲がリリースされた。
’Flare’。

”何が許せないの 何を許されたいの
 いつか終わる小さな灯火”ーFlare


わたしは、他の誰でもない、わたし自身に許されたかったのだ。
与えられた居場所が苦しくて、逃げ出してきた自分を。
ほのかに小さく燃える灯火も、いつかは消えてしまう。
命の時間はいつか終わるのだ。
ならば、自分を許し、今ここに居る自分を認めて生きていきたい。
  • 投稿作品の情報を、当該著作者の同意なくして転載する行為は著作権侵害にあたります。著作権侵害は犯罪です。
  • 利用規約を必ずご確認ください。
  • ハートの数字はTwitterやFacebookでのリツイート・いいねなどの反応数を合算して算出しています。
音楽について書きたい、読みたい